刺されると「お肉」が食べられなくなるマダニが急増中
刺されると「お肉」が食べられなくなるマダニが急増中 / Credit:Canva . ナゾロジー編集部
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刺されると「お肉」が食べられなくなるマダニが急増中 (2/2)

2023.08.09 Wednesday

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アルファガル症候群に治療法が存在しない

アルファガル症候群に治療法が存在しない
アルファガル症候群に治療法が存在しない / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

最も大きな問題、それは現在のところアルファガル症候群の治癒法がないことです。

そのためアルファガル症候群になってしまった患者は哺乳類の肉や乳製品全般の摂取を避ける生活をはじめることになります。

ただアルファガルは哺乳類ではない鶏肉や魚肉には含まれていないため、ある程度の代用は可能です。

(※なお余談ですが人間の肉にもアルファガルは含まれていません)

また幸いなことに、一度噛まれただけならば症状は5~6年かけてゆっくりと収まっていきます。

これはアルファガルを敵と認識する免疫細胞の記憶がその期間しか持続しないことに起因します。

しかし二度目に噛まれるとアルファガルに対する免疫記憶が一生涯続くようになり、多くの人は二度と哺乳類の肉を食べられなくなってしまいます。

牛肉や豚肉やミルクを愛する人々にとっては残酷な結末と言えるでしょう。

他にも意外なものが食べられなくなることがあります。

薬を包むゼラチンは哺乳類などの動物の皮膚や腱などに含まれるコラーゲンから作られているため、アレルギーを起こしてしまうことがあるのです。

またマシュマロのようなお菓子は哺乳類と無関係に思えますが、乳成分が添加されていることがあるため、アレルギーが起こってしまうことがあります。

他にも哺乳類の肉や乳成分が含まれている食品は多岐に及んでおり、アルファガル症候群になった人は大幅に食の自由を奪われてしまうことになります。

しかもこのマダニは極めて貪欲で、住処となる森林に人間が入ったのを感知すると、近寄って噛みつこうとします。

さらに近年、気候変動にともないマダニの活動期間が増加しており、被害者が増え続けていることも指摘されています。

CDCは現在、米国には50万人ほどのアルファガル症候群の患者がいると推測しています。

研究者たちは、マダニをみつけたらすぐに払い落としたりして、とにかく噛まれないようにすることが唯一の防衛法だと述べています。

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