刺されると「肉」が食べられなくなるマダニが急加
「孤独の星」の名前を持つマダニに刺されると、哺乳類の肉(牛肉、豚肉、鹿肉など)、乳製品、ゼラチン、一部の薬剤に対してアルファガル症候群 (AGS)という危険なアレルギーを引き起こす可能性があります。
アルファガル症候群として知られるこの症状は、ほとんどの非霊長類哺乳類の肉に含まれるアルファガル(ガラクトース-α-1,3-ガラクトース)に対する免疫の誤反応によって引き起こされます。
通常、人が牛や豚などの非霊長類哺乳類の肉を食べても、体は肉の部品の1つに過ぎないアルファガルには反応しません。
しかし、家畜を噛んだマダニが家畜の肉の部品(アルファガル)を体内に溜め込み、さらに人間を噛むことでアルファガルが体内に入り込むと厄介なことがおこります。
「肉の部品(アルファガル)」は単体では無害ですがマダニの唾液と一緒に入り込むことで免疫系が勘違いを起こして敵と認識し、次回以降にアルファガルを含む哺乳類の肉を食べると、免疫反応が体を駆け巡りアレルギーを起こしてしまうのです。
不良(マダニの唾液)と一緒にやってきたことで何の害もない真面目な学生(アルファガル)も不良の一味とし警察(免疫)に認定されてしまうようなものです。
この症例で最も一般的にみられるのが胃腸症状で下痢や嘔吐などが起こります。
また蕁麻疹が出る患者も報告されています。
しかし反応が激しいとアナフィラキシーを発症する患者もおり、呼吸困難など深刻な状態に陥ることもあります。
今回のCDCの調査ではアルファガル症候群について医師たちがどれほどの知識を持っているかが確かめられていましたが、42%はそもそもアルファガル症候群を知らず、また知っている医師も正確に診断できる自信があると答えたのは35%ほどになっていました。
しかし本当の問題は、もっと別にありました。