まるでフラミンゴのように姿勢を変えていく「ムーバブリープロ」
長時間のデスクワークは姿勢が悪くなり、首や肩、腰に大きな負担がかります。
また下半身の筋肉が衰え、血流が悪くなるため、様々な病気のリスクが高まります。
特に、「第二の心臓」と言われるふくらはぎは、脚の血液を心臓に向かって戻す働きがあるため重要です。
ここがパンパンにむくんでしまい、血液の流れが妨げられている人は少なくないでしょう。
この対策として、高さ調整が可能なデスクを使用し、立ちながらデスクワーク(スタンディングデスク)を行う人もいます。
座りっぱなしでいるよりも立った状態を維持する方が、姿勢が良くなり、腰痛や肩こりなどの問題は改善できると言われます。
しかし立ちっぱなしでは足に疲労がたまります。
スタンディングデスクで仕事している人の中には、「仕事が終わるころには疲れ果てていて、何もしたくない」と感じる人もいるようです。
こうしたことから分かるのは、仕事中にはこまめに立ったり座ったりして姿勢を変えることが大切だということです。
新しいデスクチェア「ムーバブリープロ(Movably Pro)」は、そんなデスクワーカーたちの希望を叶える斬新な設計がなされています。
この新しい椅子が着目しているのは、主に座りっぱなしの姿勢維持に伴う腰痛の悪化や足の不快感を解消することです。
ムーバブリープロは、一見すると、足置きが付属した高めの椅子です。
しかし座面を下ろすことができこのとき座った状態とたった状態で腰の位置が変化しないように設計されています。
つまり作業の高さが変化しないため、座った状態と立った状態を作業を中断せずスムーズに移行できるのです。
さらにこの座面の左右が独立して2つに割れているため、ワンタッチで左右の座面どちらかだけを下ろすことも可能です。
これによりユーザーは、片尻だけ座って、無理のない片足立ち状態になることができます。
この「フラミンゴ」のようなポーズは見た目は少し奇抜ですが、デスクワーク中の身体の負担を大きく軽減できるといいます。
実際、カナダ・ウォータールー大学(University of Waterloo)の2023年の研究では、ムーバブリープロを2時間使用した16人の参加者全員が、座りっぱなしで作業する時の腰痛の痛みや足の不快感(むくみなど)が、通常の椅子を使った場合や立った状態の作業よりも低下したと報告されています。
特に座った状態はかなり座り心地の良い椅子を使った場合と比較しているようです。
また、この椅子はアプリを用いることで、姿勢の自動変更モードも利用できます。
このモードでは希望する時間にハンズフリーで座面が自動変更されるので、作業に集中して忘れがちな姿勢変更を定期的に実行できます。
ちなみに、ムーバブリープロ開発のきっかけは、Movally Inc.のCEOであるマーク・カピジ氏の事故です。
彼はロードサイクリングでの事故により脊椎骨折を経験しており、長時間座っていられません。
何年もの間、様々な「人間工学に基づいた椅子」を試してきましたが、彼を満足させるものはなかったようです。
そんなカピジ氏が試行錯誤の末に開発したムーバブリープロは、もしかしたら、同じような境遇で長時間座ることが難しい人たちを救うものとなるかもしれません。
ムーバブリープロは現在、クラウドファンディングサービス「Indiegogo」にて支援募集中であり、11月までのキャンペーン中であれば、22万5414円の支援で1台ゲットできます。