自撮り写真は顔の左側をカメラに向けがち
写真を撮るときに、読者のみなさんは顔のどちら側をカメラに向けますか。
右側でしょうか、左側でしょうか、それとも正面でしょうか。
SNSの写真を見てみると、多くの人が顔の右側や左側どちらかを見えるように顔を傾けていることが分かります。
実際に写真を撮る時の顔の向きに偏りがあるかを調査した研究があります。
それは2017年に「Frontiers in Psychology」に投稿された、オーストラリアのラ・トローブ大学のアヌッカ・リンデル氏(Annukka Lindell)らの研究です。
彼らは、Instagramで「#selfie」と検索してヒットした男女200名の、直近の自撮り写真10枚の写真、合計2,000枚を収集しました。
分析では、実験者が写真の顔の左右でよく見えている部分に差がある場合は右と左、差がない場合は真ん中と分類し、自撮り写真を撮る時の顔の向きに偏りがあるかを調べています。
結果、全体的な傾向として、顔の右側よりも左側をカメラに向けて撮影する人が多いことが確認されました。
また男女でこの傾向が変わるかを見てみると、男性よりも女性に顔の左側をカメラに向ける傾向が強くみられました。
この顔の左側を見せる傾向は自撮り写真だけで見られる現象ではありません。
「Nature」に投稿された、英バーミンガム大学の研究では、人物を描いた西洋絵画においても顔の右側よりも左側を見せる構図が好まれることがわかっています。
しかしなぜこのような顔の左側を観察者から見えやすいようにするのでしょうか、またなぜ女性のほうが顔の左側を相手に見せる傾向が強いのでしょうか。