ジェームズ・ギルレーによる、天然痘の予防接種に対する風刺画、予防接種を受けた人々の体から牛が生えている
ジェームズ・ギルレーによる、天然痘の予防接種に対する風刺画、予防接種を受けた人々の体から牛が生えている / credit:wikipedia
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似たようなことは昔もあった!最初のワクチンはどんな経緯で登場したのか? (2/3)

2024.02.04 Sunday

前ページワクチン以前にも似たような発想はあった

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世界初のワクチン、天然痘ワクチン

エドワード・ジェンナー 近代免疫学の父と言われている
エドワード・ジェンナー 近代免疫学の父と言われている / credit:wikipedia

やがて18世紀末になると、エドワード・ジェンナーによってこれらの手法を科学的に明らかにしようという試みが起こりました。

彼が住んでいた地方では牛飼いや乳搾りする女性は日常の仕事の中で牛痘(牛痘ウイルス感染を原因とする感染症、人間にも感染するが軽症で済む)にかかっているので天然痘に罹患しないことが知られており、彼はこれに着目したのです。

彼は実験にて牛痘の接種が天然痘の予防に有効であることを発見し、1800年に結果を論文にまとめました。

先述したようにジェンナーの研究以前もワクチンに似た概念はありましたが、それらの方法はリスクが高く、接種の後に命を落とす人も決して少なくはなかったのです。

しかしジェンナーの牛痘接種法は死亡例がほとんど見られず、それ故世界中に広まりました。

ジェンナーの種痘法は感染症に積極的に介入して疾患の発症を抑えた初めての偉業とされ、医学の歴史において特に偉大な発見とされています。

次ページワクチンの誕生と共に産声を上げた反ワクチン運動

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