ひきこもり状況で最もプレイされやすいゲームとは?
ゲーム障害とは、ゲームに熱中しすぎるあまり、利用時間などを自分でコントロールできなくなって、日常生活に支障が出る病気です。
昨今はオンラインゲームの普及により、世界的なゲーム障害の増加が注目されています。
その一方で、ひきこもりとゲーム障害の関連を調査した研究は多くありません。
そこでチームは全国の20〜59歳の未就労者500名を対象に、HiDEを活用したオンライン調査を実施しました。
HiDEを使って被験者を「非ひきこもり」「病的ひきこもり」「健康なひきこもり」の3つに分類し、ひきこもりの継続期間をもとに下の7つのグループに分けています。
さらに被験者の抑うつ傾向とゲーム障害傾向を数値化し、グループ間で比較。
その結果、「病的なひきこもり」ではどの継続期間においても、抑うつ傾向が有意に高くなっていました(上図の左の黄色)。
一方で、ゲーム障害傾向が最も高くなっていたのは「3カ月未満の病的ひきこもり」のグループとなっています(上図の右の赤色)。
興味深いことに、ひきこもり状況にある人が最も利用するゲームは「ロールプレイングゲーム」でした。
これはひきこもり状況に陥った際、自らの社会的役割(ソーシャルロール)の喪失を補うために、ゲーム世界で自分の役割を獲得することを目的としているからだろうとチームは指摘します。
逆にいうと、ひきこもり状況にある人はロールプレイングゲームを過剰にプレイすることで、ゲーム障害に陥りやすくなるかもしれません。
そしてチーム最後に、コロナ禍において「病的ひきこもり」になりやすかった人の特徴を明らかにしました。