社交的で協調性が高い人ほど「病的ひきこもり」になりやすい?
ここでチームは、コロナ禍における「病的ひきこもり」の危険因子を特定すべく、2019年6月時点でひきこもり状況になかった全国の社会人561 名を対象にオンライン調査を実施。
2020年6月〜2022年4月までに複数回の調査を行ったところ、コロナ禍において3割以上の人が一度は「物理的ひきこもり」になっていました。
一方で、「物理的ひきこもり」と評価された人の中の6割以上は「健康なひきこもり」でしたが、それ以外は「病的ひきこもり」と診断されています。
そして意外なことに、コロナ禍で「病的ひきこもり」になりやすかった人は「社交的で、社会的達成動機が高く、社会的役割を希求し、外交的で協調性が高い人」だったのです。
社交性や協調性の高さは従来、ひきこもりとは関係のない因子と思われていましたが、コロナ禍では直感に反して「病的ひきこもり」の潜在的な危険因子になっていたようです。
チームはこれを受けて「ポストコロナ時代の新しい生活様式におけるひきこもり予防や対策を考える上で重要な資料になる」と述べました。
今後は新たに開発されたひきこもり評価ツール「HiDE」によって、「病的ひきこもり」と「健康なひきこもり」をスムーズに識別し、支援が必要なひきこもり状況にあるかどうかを迅速に判断できるようになると期待されています。