「恐怖症」の進化におけるメリット

多くの一般的な恐怖症は、私たちの祖先の「潜在的な危険」に関係しています。たとえば「高所恐怖症」は、祖先たちを崖から遠ざけるために発達したものであると考えられるし、「クモ恐怖症」は、自然界に存在する多くの毒グモを避けるために発達したと考えられます。
しかしながら、現代ではそのような「潜在的な危険」の多くは消え去ってしまいました。すなわち多くの恐怖症は、「潜在的な危険」がまだ身近であった頃の名残りであるといえます。そして、無くなってしまった危険に過剰に反応してしまうのは、まさしく「アレルギー」のようなものです。
このように謎多き「恐怖症」において、私たちの祖先が進化の過程で「恐怖症」を活用してきたといった説は、今のところ最も有力とされています。しかしながらその理論も完璧ではありません。たとえば、なんとも皮肉な「Hippopotomonstrosesquipedaliophobia(長い単語恐怖症)」は、私たちの進化の過程とは全く関係のないものです。
また、恐怖症は「克服できる」ものでもあります。高所恐怖症を克服してパイロットになった人もいるくらいです。日常生活の妨げになるほどに、何かの「恐怖症」に悩んでいる人は、専門家の指導のもとでその悩みを解決することができるかもしれません。
via: scienceabc / translated & text by なかしー
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