「顔の魅力度」と「寿命」に関係はあるのか?
研究者たちはこれまで、人々の「社会的状況」と「寿命」との関係について広範囲に調査を行ってきました。
例えば、収入や学歴の高低、配偶者の有無などが寿命にどんな影響を与えるかなどが調べられています。
その一方で、顔の魅力度が寿命とどのように関連しているかについては、ほとんど注意が払われていませんでした。
しかし、顔の魅力度と寿命の長さの関係を調べることは注目に値すると研究者は話します。
というのも、顔の魅力度の高さは根本的な健康状態を示すだけでなく、社会的な相互作用にも少なからぬ影響を及ぼすと考えられるからです。
例を挙げれば、魅力度が高いほど、面接や商談での印象が良くなったり、プライベートにおける他者との交流にもプラスに働くと予想できます。
そしてこのように社会交流が円滑であったり活発に進むことは、社会的地位の上昇・収入の増加・メンタルヘルスの向上につながり、ひいては寿命をも伸ばす可能性があるのです。
そこで研究チームは今回、顔の魅力度がその後の人生の寿命にどんな影響を与えるのかを理解すべく、ウィスコンシン縦断研究(WLS)をデータセットとして利用しました。
ウィスコンシン縦断研究(WLS)とは、1957年に米ウィスコンシン州の高校を卒業した人々を生涯にわたって追跡した調査のことです。
この大規模データセットには、死亡するか、あるいは80代前半まで追跡された計8386名の卒業生たちのデータが含まれています。
チームはこのデータと卒業アルバムを使って、顔の魅力度と寿命の関連性を調べることにしました。