破局のボーダーラインは満足度65%
研究チームは、過去の調査データも利用し、16~90歳の2268人を対象に、カップルの誕生や破局、満足度の推移などを調査しました。
これらの分析には、性別や子供の有無、相手に対する満足度などの情報も使用しました。
相手への満足度は、10項目からなる結婚生活満足度の調査票「Marital Satisfaction Scale(Gilford-Bengtson,1979)」が用いられました。
この調査票では、例えば「大事なことについての意見の食い違い」「自由な意見交換」「一緒に笑う頻度」などの評価項目があり、参加者はそれぞれを5段階評価しました。
そしてこれらのスコアの合計により、満足度が算出されました。
分析の結果、満足度が最大スコアの約65%にまで低下した時、そのカップルは分かれる傾向にあると分かりました。
この数字(割合)は、不満が大きくなりすぎて関係を維持できなくなるボーダーラインを示しています。
もちろん実際のカップルでは、それが付き合っている最中であれ、結婚関係の中であれ、相手の満足度を数字ではっきりと知ることはできません。
それでも、普段の表情や対応から、大まかな満足度を推察することはできるかもしれません。
時には、「パートナーは100点中、何点?」というストレートな質問が飛び交うことさえあるかもしれません。
そんな時、もし「70点」とか「60点」などと評価されるなら、危険意識を持った方が良いでしょう。
なぜなら、破局のボーダーラインである満足度65%付近だからです。相手は関係の解消を願っているかもしれません。
一方で、この数字は、私たちがパートナーから100点満点の評価をもらう必要が無いことも示しています。
人には必ず欠点があり、現状でどこまで満足できるかも人それぞれで異なります。
だからこそ、相手が満足度80%や90%の状態にあれば、パートナーの満足度を上げようと必死になって苦しむ必要もないでしょう。
ちなみに今回の研究では、若いカップルは、年配のカップルに比べて、時間の経過とともに満足度が急激に低下する傾向にあることも分かりました。
また、「パートナーいない歴」が長い人ほど、新しい交際関係に満足できると分かりました。
逆に、以前の交際が終わってから、すぐに新しい交際を始める人ほど、新しい交際で相手への満足度が低いと分かりました。
こうした情報は、どんな人と付き合うか、また自分たちがどれほど破局しやすい状態にあるかを考える上で役立つことでしょう。
今回の研究で示された破局のボーダーラインは、私たちが現状を大まかに把握し、パートナーとの良い関係を保ち続けるための助けとなります。
また彼氏彼女がかなりの期間いないとしても、将来に期待を持てます。
そうした人こそ、新しく始まる恋愛関係では、大きな満足感を得られるからです。