2014年にマリアナ海溝でキャッチされた怪音
マリアナ海溝は日本列島から南へ約2500キロ離れた北西太平洋にあります。
よく知られているように、マリアナ海溝は「世界で最も深い海溝」として有名で、最大深度は10,983メートルともされています。
これは海面を基準に、世界最高峰のエベレスト(高さ8849メートル)をひっくり返しても山頂が底につかないほどの深さです。
そんなマリアナ海溝で2014年に奇妙な調査報告がなされました。
米オレゴン州立大学(OSU)の海洋学研究チームがマリアナ海溝の音響調査をしていたところ、研究者たちも聞いたことのない不気味な音声が録音されたのです。
この音声は研究者たちの間で「ビオトワング(biotwang)」と呼ばれています。
ビオトワングの実際の音声がこちら。音量に注意してご視聴ください。
ビオトワングは主に2つのパートに分けることができます。
1つは前半部のブオォ〜ンという波動が広がるような音。そしてそのすぐ後に強い振動音が続きます。
いずれも機械の出す音のようにも聞こえ、宇宙船の音と表現されたりもしました。
マリアナ海溝の底に宇宙船が沈んでいて、今も不思議な駆動音を出している、そんな空想も浮かんでしまいます。
とはいえ、常識的に考えれば何らかの海の生物が出している音であるはずです。
しかし、研究者たちは発見から今日に至るまで、この怪音の正体をつかめずにいました。
2016年に一度、シロナガスクジラやザトウクジラの声ではないかとの主張がなされますが、既知のクジラの鳴き声とは一致せず、未解決のまま10年の月日が過ぎています。
そんな中、NOAAの最新研究は、ついに音声の正体を明らかにしたのです。