たくさん食べてもたくさん動くと健康的に痩せる
早速結果を見ていきます。
まずは、7日間のサイクリング期間中における摂取カロリーと消費カロリーの差分、すなわちエネルギーバランスを詳しく確認してみます。
コースを1周走った日は、摂取カロリーと消費カロリーが見事に釣り合っていましたが、2周走った日には消費カロリーの方が多いという結果が得られました。
このことは、1日2周した日では、運動量が非常に多く、消費したカロリーを食事で十分に賄うことができなかったことを示しています。
具体的には、2周走った日には、成人男性が1日に摂取するカロリーの目安である2500kcalを大きく上回る5000kcal以上を摂取したにもかかわらず、約7000kcalも消費していたことがわかりました。
そして、気になる体重の変化ですが、たくさん食べた影響もあってか、体重は平均で0.8kgしか減少しませんでした。
それでも、ウエストサイズは3.2cm、体脂肪は1.5kg、さらには内臓脂肪の体積が14.6%も減少したという興味深い結果が得られました。
特に、磁気共鳴画像法(MRI)という高度な測定技術を用いて評価された内臓脂肪の14.6%減少という結果は注目に値し、アルメラス教授らも、「短期間に大量の持久運動で消費したエネルギーを補うために摂取カロリーを大量に増やしても、内臓脂肪が大きく減少することがわかった」とまとめています。
さらに、筋肉などで構成される除脂肪量が0.8kg増加したことは、運動の効果を実感させるものです。
この結果は、しっかり食べさえすれば、極端な有酸素運動をしても、筋肉量が減らないということを示すデータでもあります。
血中脂質や血圧などの健康指標にも明らかな改善が認められ、総じて、今回の結果は、7日間の実験を通じて、対象者たちがより健康的な体を手に入れたことを示しています。
もちろん、これほど極端に運動することは難しいかもしれませんが、日常生活において運動をしっかり取り入れれば、食べても、健康的な体を手に入れることが出来ます。
運動不足の影響が問題視される現代社会です。食事を制限し過ぎるのではなく、しっかり食べて体を動かすことで健康的な体を手に入れてみませんか?