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「幸せになりたい」という漠然とした願いを持つと、それがプレッシャーになる / Credit:Canva,ナゾロジー編集
psychology

「幸せになりたい」漠然とした目標を持つ人は幸福度が向上しない

2024.11.21 Thursday

「幸せになりたい」と願うのは自然なことです。

しかし、そう願って本当に幸せになれる人がどれほどいるのでしょうか。

京都大学に所属するクアン・ジュ・ファン氏が8000人のオランダ人を対象にした研究によると、「幸せになりたい」という漠然とした目標を持つ人は、長期的にはプレッシャーを抱え、その強い願いとは裏腹に、幸福度が向上していかないと報告しました。

私たちは「幸福になること」を第一に求めるのではなく、「家族と一緒に過ごす」「趣味を楽しむ」など、より具体的なことを目標にすべきなのです。

研究の詳細は、2024年8月20日付の学術誌『Psychological Science』に掲載されました。

Does the Pursuit of Happiness Lead to a Better Life? https://www.psychologytoday.com/au/blog/points-on-the-board/202410/does-the-pursuit-of-happiness-lead-to-a-better-life New psychology research untangles the links between valuing happiness and well-being https://www.psypost.org/new-psychology-research-untangles-the-links-between-valuing-happiness-and-well-being/
Does Valuing Happiness Lead to Well-Being? https://doi.org/10.1177/09567976241263784

幸せであることを重視する人は、本当に幸せになれるのか?

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「幸せでありたい」と願うのは自然なこと / Credit:Canva

「幸せになりたい」と願うのは、ごく自然のことです。

それでも近年では、より多くの人が幸せを願い求め、人生における「第一の目標」にしています。

こうした心理の背後には、生活水準の向上や、社会的価値観の変化が関係しています。

人々には、単に生きるだけでなく、より良い生活を求める余裕が生まれました。

そして物質的な豊かさだけでなく、内面的な充実や感情的な満足感も重視される社会になったことで「現状に満たされない」と感じる人が増えているのです。

さらにSNSの普及によって他者と比較しやすくなり、この比較が「自分も幸せになりたい」という願いを強めています。

では、現代で私たちが本当に幸せになるためには、どうすればよいでしょうか。

今回、ファン氏は、オランダの一般家庭を対象に長期間にわたって行われるインターネット調査「The Longitudinal Internet Studies for the Social Sciences (LISS) panel」のデータを利用し、幸福を目標にすることと、その結果を分析しました。

この研究では、オランダの成人8331人を対象に、2019年から2023年の変化を追跡しました。

参加者は毎年、自分にとって幸福であることの重要度を評価しました。

さらに、生活満足度、肯定的および否定的な感情的経験を報告しました。

この分析の結果はどうなったでしょうか。

幸せを第一に求める人は、本当に幸福感を得ていたのでしょうか。

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