過酷な運搬作業から解放してくれる新モジュール
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「ネコ」「ネコ車」と呼ばれる運搬用の一輪車は、建設現場や農作業には欠かせない手押し式の運搬台車です。
仕事や農作業、庭の作業で使ったことのある人も多いでしょう。
そうでなくても、自宅、田舎の実家や学校の倉庫で見かけたことがあるはずです。
この一輪車は非常にシンプルな作りですが、物を運ぶのに便利です。
工事現場などでは石材や土砂、セメントなどを運搬するのに活躍します。
大まかな作業や運搬は重機やトラックで行えますが、それら重機が入れないような狭い場所での作業には、この一輪車を使って人力で運びます。
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被災地などでは、通路が塞がれ重機やトラックが入らなかったり、崩壊を避ける目的で繊細な人力作業が求められたりするため、そういったケースでも一輪車が使用されます。
また個人であれば、重機やトラックを持っていない人がほとんどであり、そうした人が庭仕事をする時にも、一輪車が役立ちます。
土木工事をする人なら、大量のセメントを一輪車に入れて「運んでは流し込み、運んでは流し込み……」という作業を繰り返していることでしょう。
1〜2回運ぶだけであれば、そこまで大変には思いませんが、何度も繰り返すうちに腕が疲れ、痺れてくるものです。
また農作業などで重いものや大きいものを載せ過ぎた時には、一輪車を腕でコントロールできなくなり、途中でひっくり返してしまうこともあります。
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その時のなんともやるせない気持ちは、思い出したくもありませんね。
このように、「一輪車で運搬する」という作業は、実はかなり過酷です。
しかし長年、一輪車は完全に人力のままでした。
運搬用の一輪車をもっと楽に使う方法はないのでしょうか。
発明家/エンジニアであるモエ・パワー氏も、20年間放置され、木が生い茂っている裏庭の伐採作業に取り掛かろうとした時、同じ気持ちになりました。
そこで彼は、既存の一輪車(ネコ)を電動化するモジュールのプロトタイプを開発し、庭仕事のスピードを大幅に向上させることに成功しました。
そのアイデアは洗練され、今では1つの製品「eBarrow」として、多くの人が入手できるようになっています。