性的活動と睡眠の関係を科学的に調査する

これまでにも、「オーガズムは眠気を誘う」という仮説は数多くの研究で語られてきました。
しかし「オーガズムのあとの幸福感やリラックスが睡眠を促す」という仮説はあるものの、実際に脳波などの客観的なデータで検証された例は極めて限られています。
そこで今回の研究では、カップルの睡眠を実際に脳波で記録できる装置「DREEM3ヘッドバンド(ポータブル脳波測定器)」を用い、性的活動が客観的な睡眠データにどう影響を与えるのかが調べられました。
参加者は南オーストラリアに住む7組の異性愛カップル、合計14人。平均年齢は約30歳で、いずれも健康で、週1回以上の性的活動を行っている人たちです。彼らには11夜連続で以下の3つの条件をランダムに割り振り、それぞれの晩の睡眠状態について観察しました。
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性的活動を行わない夜(通常の就寝)
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ソロでのマスターベーション(オーガズムあり)
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パートナーとの性行為(オーガズムあり)
それぞれの条件の後、参加者はDREEM3を装着し、その夜の睡眠データが自動的に記録されました。また翌朝には、睡眠の満足度、日中の意欲、やる気などについても記録してもらいました。
これにより、「主観と客観の両面」から、オーガズムを伴う性的活動が睡眠に与える影響を評価したのです。