中間子が最も「協調性」に優れていた!
本調査は英語圏に在住の70万人以上から収集した大規模データを利用し、兄弟姉妹の中での生まれた順番、家族の人数、および性格特性の評価アンケートの回答を比較分析しました。
さらにこのデータと別に、約7万5000人の他のボランティアにも同様のアンケート調査に回答してもらっています。
そして出生順と性格特性の関連性を調べた結果、過去の研究でも示されたきたように、長男長女は下の弟妹に比べてわずかにIQスコアが高い証拠が見つかりました。
しかし今回の調査で最も目を引いたのは、中間子であるほど、他者への公平・誠実さのスコアが高く、協調性に優れている結果が見つかったことでした。
協調性の高さは単純に、兄弟姉妹が多い家庭の子供ほど有意に上昇していたのですが、その中でも中間子として生まれた人は最も協調性が高い傾向があったのです。
この結果を受けて、研究者らは次のように解釈しています。
「中間子は家族内での自分の位置付けを確立するために、他者との協力や人間関係の調整を学ぶ必要に迫られます。
また中間子は長子や末っ子との間でバランスを取る役割を果たしており、これが他の兄弟姉妹に比べて、協調性が発達しやすいのでしょう」
つまり、中間子は一種の「中間管理職」のような存在として、人と人をつなぐピースメーカー(調和をもたらす人)になりやすいのだと考えられます。
もちろん、出生順が人格形成に与える影響は一つの傾向であり、一人っ子であろうと、長男や末っ子であろうと、協調性の高い人はたくさんいます。
それでも、兄弟姉妹の真ん中に生まれることは「協調性」を高める一つの要因となるのかもしれません。