水深1000mからゴミと一緒に回収
NOAAの研究チームが赤ちゃんタラバを発見したのは2024年8月6日のことです。
当時チームはメキシコ湾で調査活動をしており、「実験室での飼育および繁殖のためのサンゴ標本を採取するのに忙しかった」と話します。
その一環として、深海底から拾い上げたゴミの処理もしていたのですが、水深1060メートルから回収されたプラスチックのゴミ袋と一緒にそれは発見されます。
なんとゴミ袋の側に薄紅色の小さなカニがちょこんと居座っていたのです。
赤ちゃんガニは大人の指先に乗っかるくらいのサイズしかありませんでしたが、一丁前にトゲトゲのスパイクを全身に生やしていました。
調査員はその姿を以下のキャプション付きでXにポストしています。
「これは世界で一番可愛くて、一番トゲがあって、一番小さいカニです!(誇張表現なので、正確には保証できませんが)
このカニはメキシコ湾での作業中に見つかりました。この作業では実験室での飼育や繁殖に利用するために、中深層や深海のサンゴ種のサンプルを採取していました」
This is the cutest, spikiest, tiniest crab in the world! (Don’t quote us on that—it’s called hyperbole.)
It was found during an operation in the Gulf of Mexico, which collected samples of mesophotic and deep-sea coral species for lab rearing and propagation.
Credit: @sanctuaries pic.twitter.com/ObYx2YveHW— NOAA Fisheries (@NOAAFisheries) January 8, 2025
チームが調べたところ、この赤ちゃんガニはタラバガニ科の一種である「アガシイバラガニ(学名:Neolithodes agassizii)」の幼体であることが特定されました。
アガシイバラガニは主に、中南米近海の水深200〜2000メートル付近の深海底に生息しているとされます。
では、この小さなアガシイバラガニの赤ちゃんはどのような成長プロセスを辿って、最終的にどんな見た目に変貌するのでしょうか?