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psychology

周りに人が多いほど、人助けできなくなる「傍観者効果」とは? (2/2)

2025.02.05 09:00:38 Wednesday

前ページ「傍観者効果」が知られるきっかけとなった事件

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なぜ傍観者が多いと行動できなくなるのか?

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ラタネとダーリーは、傍観者効果の原因として「責任感の希薄化」と「社会的影響」の2つの要因を挙げました。

責任感の希薄化とは、目撃者が多くなるほど、「自分が行動を起こさなくても誰かがやるだろう」と感じ、個人の責任感が薄れてしまう心理を指します。

社会的影響とは、周囲の人々の行動を観察し、それに基づいて自分の行動を決定することを指します。

なので他の人が行動を起こさない場合は、自分も何もしない傾向が強くなります。

周りの人が誰も動かないのであれば、「ああ、これは緊急事態ではないのだな」と勘違いしてしまい、行動を起こせなくなるのです。

他にも傍観者がたくさんいることで「自分が率先して助けに入るのが恥ずかしい」とか「実は命の危険はないのに、自分が誤解しているだけなのではないか」「助けに行って断られたら嫌だな」といった様々な考えが浮かんで、行動を起こすことを妨げてしまいます。

では、傍観者効果を回避するには何をすればいいのでしょうか?

傍観者効果を回避するには?

街中で急に困っている人に遭遇すると、やはりどうしても人助けに躊躇してしまうでしょう。

そこで傍観者効果を回避する上で最も大切なのは、傍観者効果のことを理解して、日頃から意識を高めておくことです。

傍観者効果の存在を知っておくこと自体、すでに大きな一歩を踏み出すことにつながっています。

傍観者効果のことをしっかり理解し、日頃から頭の中で「困っている人がいたら自分が率先して行動する」というイメージをリハーサルしておくのです。

そうすれば、街中で困っている人に遭遇しても傍観者効果にかかることなく、落ち着いて対処しやすくなります。

またあなたが冷静に率先して行動できれば、周りの人たちも傍観者効果の魔力から解放されて、次々と行動に乗り出しやすくなるでしょう。

私たちの中に根強く存在する心理に打ち勝つには、それを理解し、自らの意識を高めておくことが重要です。

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周りに人が多いほど、人助けできなくなる「傍観者効果」とは? (2/2)のコメント

ゲスト

人がたくさんいる場所で事件事故が起きた時、体調不良者が出た時、真っ先にほぼ同時に的確に行動する数人がいる事を、目撃した経験があります。

この事から、もともと人助けに無関心な性質の人達でも、自分以外に誰もいなければ、他人任せが出来ずに助けざるを得ないとも推測出来ます。

ゲスト

記事の内容に対する例外事項として、超過密状態でのアクシデントで自分に損害が生じるリスクが生じた場合には、それを回避しようとして介助行動に移るケースも多いと思います。
加えて、その過密状態に対する認識は民族や社会の成熟度で異なっているとも思います

例:満員電車で酔漢や具合の悪い人が倒れる→占有スペースや衛生面でのリスクが生じる→それらを改善しようと介助行動に移る

ゲスト

結論が少々強引と言うか、多分キティさんの例は目撃者が少数だったとしても結果は変わらなかったんじゃないだろうか
報告者(通報者)が誰も居ない問題は、打ち合わせミスによって起こることが多い気がする
「えー誰も通報してないのー、じゃあ通報するわ」ってコミュニケーションの取れる人が居るとポカしにくい
逆に犯人側としては、責任感のある人が居るのもまあ厄介だが、目撃者は通常少ないほどよく、横の連携を潰すのが鉄則に思う

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