動物界全体からインスピレーションを受けた変形ロボット「GOAT」
従来のロボットは、車輪型、四足歩行型など、いくつかの移動タイプに分類されています。
それぞれにメリットとデメリットがありますが、共通する課題として、特定の地形には適応できても、異なる地形には対応しづらいという点が挙げられます。
例えば、車輪型ロボットは、平坦な道では素早く移動できますが、岩場や砂地では立ち往生してしまいます。
四足歩行ロボットは、障害物を乗り越える能力は高いものの、速度やバッテリー消費に課題があります。

EPFLの研究チームは、こうした課題を克服するために、一つの形状に依存せず、状況に応じて変化できるロボット「GOAT(Good Over All Terrains)」を考案しました。
GOATは交差する2本の弾性グラスファイバーロッドと、モーター付きの車輪4つという安価かつシンプルな構成となっています。
GOATの最大の特徴は、環境に応じて形状を変えられるという点です。

このアイデアは、クモ、カンガルー、ゴキブリ、タコなど、動物界全体からインスピレーションを受けています。
動物たちはそれぞれの特徴をもっており、それらが移動面でも特有のメリットを生み出しています。
GOATは、自ら変形することで、状況に応じてそれら動物たちの特徴を再現できるのです。
では、そんなよくばりな変形ロボットGOATは、実際にどのように動くのでしょうか。次項で見てみましょう。