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単純なルールで、アリのように集団で掘削・建造するロボットを開発 / Credit:Fabio Giardina(Harvard University)et al., PRX Life(2026), CC BY 4.0
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【集団の知能】掘削や建設を行う「アリ型ロボット」を開発

2026.05.06 11:30:14 Wednesday

アリは、設計図もリーダーもいないのに、どうやって巨大な巣を作っているのでしょうか。

実は彼らは、お互いに指示を出し合うのではなく、「環境に残された痕跡」を頼りに行動しています。

この既知の原理を工学的に再現し、その働きを検証するため、アメリカのハーバード大学(Harvard University)を中心とする研究チームは、アリの協調行動を模した小型ロボット群を開発しました。

たった数個の単純なルールだけで、ロボットたちは材料を集めて構造を作り、既にある材料の集まりを掘り崩すような動きまで見せました。

この研究は2026年4月10日付の『PRX Life』に掲載されました。

Just call these tiny autonomous construction robots “antdroids” https://newatlas.com/robotics/tiny-autonomous-construction-robots-rants/ Simple Robots That Collectively Build and Excavate Are Inspired By Ants https://seas.harvard.edu/news/simple-robots-collectively-build-and-excavate-are-inspired-ants
Robotectonics: Emergent Phototactic Aggregation-Disaggregation in Swarms https://doi.org/10.1103/cx3h-bwhc

アリのように集団で建設するロボット「RAnt」

アリやシロアリが集団で構造物を作る仕組みは、これまでの研究である程度解明されています。

その中核にあるのが「スティグマジー」と呼ばれる仕組みです。

これは、個体が環境に変化を残し、その変化に他の個体が反応することで、間接的に協調が生まれるというものです。

アリの場合はフェロモンがその役割を担っています。

今回の研究は、この既知の原理をロボットで再現し、実際にどのような集団行動が生まれるのかを検証したものです。

研究チームが開発した「RAnt(ロボティック・アント)」は、非常に単純な機能しか持っていません。

まず、ロボットが移動した場所には、「フォトルモン(photormone)」と呼ばれるの信号が実験装置によって投影されます。

これはアリのフェロモンのような“行動の痕跡”を光で再現したものです。

次に、ロボットはこの光の強さの違いをセンサーで検知し、より強い方向へ進むように動きます。

さらに、ロボットは小さなブロックを拾って運び、周囲の光信号が決められた条件を満たすと、ブロックを離します。

重要なのは、ロボット同士が直接通信していない点であり、行動の調整はすべて環境を介して行われます。

つまり、ロボットが残した信号が次のロボットの行動を変え、その結果がさらに環境を変えていくという循環が生まれます。

このような単純なルールにもかかわらず、興味深い現象が観察されました。

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単純なルールだけで協力するかのように建造 / Credit:Fabio Giardina(Harvard University)et al., PRX Life(2026), CC BY 4.0

ロボットが偶然同じ場所に集まると、その場所のフォトルモンが強まります。

すると、その場所はさらにロボットを引き寄せやすくなり、集まりが加速。

やがてロボットはその場の信号に強く影響され、同じ場所を周回するようになります。

そのようにしてロボットが局所的に集中すると、そこが構造形成の起点になります。

そこにブロックが運び込まれることで、特定の場所に材料が集まり、自然に構造が形成されていくのです。

つまり、材料の集積や構造形成は、あらかじめ設計図を与えられて起きたものではなく、ロボットと環境の相互作用から自発的に現れたのです。

では、これらRAntの振る舞いは、どのように制御できるのでしょうか。

次ページ2つのパラメータだけで「建設」と「掘削」を切り替える

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