あと少し…が止まらない!?

寝る前に「あと少しだけ」と思って動画を見始めたはずが、ついつい夢中になって気づけば深夜――そんな経験をお持ちの方は少なくないでしょう。
実際、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出制限やリモート授業の普及で、SNS利用は以前より大幅に増加したと報告されています(Dixon, 2022)。
一方で、「SNSに長時間費やすこと」が若者の学業成績やウェルビーイング、睡眠の質の低下と関連しているという研究(Domoff et al., 2020; Sha & Dong, 2021)もあれば、それほど顕著な影響は見られないという研究(Du et al., 2018)もあり、その結果は必ずしも一貫していません。
もともとSNSの使用時間ばかりに注目されがちでしたが、「やめたいのにやめられない」という自制心の欠如こそが夜更かしや学業パフォーマンスの低下につながっているのではないか――この点が近年注目され始めています。
そこで今回研究者たちは、「TikTokをどれくらい使っているか」だけでなく「自制心の失敗によって使ってしまう状況」に着目し、睡眠や学業への具体的な影響を検証することにしました。