SNSの“自制心の失敗”が就寝時間を狂わせる!

まず研究チームは、中国の中学生とオランダで学ぶ中国人大学生の二つのグループを対象に、オンラインでアンケートを実施しました。
参加者には「TikTokをどのくらいの頻度・時間使っているか」に加え、「勉強や睡眠の時間に支障があると分かっていても、つい使ってしまった経験があるか」という“自制心の失敗”についても詳しく尋ねたのがユニークな点です。
さらに、中学生の学業成績はテスト科目の平均点を、大学生の学業パフォーマンスはGPA(成績指数)を指標とし、あわせて睡眠の質や就寝時間の先延ばし(ベッドタイム・プロクラステーション)、気分や学校(大学)生活への満足度といったウェルビーイングも測定しました。
分析の結果、「TikTokをどれだけ長く使っているか」よりも、「使いたくないのについ使い続けてしまう自制心の失敗」が、就寝時間の先延ばしと特に強く結びついていることが分かりました。
これは中学生グループでも大学生グループでも一貫して確認され、夜更かしを加速させる鍵は“時間”よりも“やめられない心理”にある可能性が示唆されました。
一方、学業成績との関連については、中学生では目に見えるマイナス影響が示唆されましたが、大学生では必ずしも同様の傾向は見られなかったことも特徴的です。
研究者たちは、この違いには年代や学習環境の差などが関係しているかもしれないと考えています。
こうした結果から、“自制心のコントロール”が大きな課題になることが示唆されました。