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新しい南極地形図が公開される / Credit:BAS
geoscience

南極の氷が全部溶けたらどんな姿?新しい南極地形図「Bedmap3」が公開される

2025.03.18 22:00:41 Tuesday

もし南極の氷がなくなったら、どんな地形が現れるのでしょうか。

この問いに対し、英国南極調査局(BAS)を中心とした国際研究チームは、長年のデータを駆使し、氷に覆われていない南極の姿を詳細に再現しました。

新たな南極地形図「Bedmap3」を公開したのです。

この地図により、南極大陸の氷床下に広がる山脈や谷、広大な盆地の姿を鮮明に可視化されました。

研究の詳細は、3月10日付の『Scientific Data』誌に掲載されています。

New map of landscape beneath Antarctica unveiled https://www.bas.ac.uk/media-post/new-map-of-landscape-beneath-antarctica-unveiled/ New map shows Antarctica without its ice https://newatlas.com/science/new-map-antarctica-without-ice/
Bedmap3 updated ice bed, surface and thickness gridded datasets for Antarctica https://doi.org/10.1038/s41597-025-04672-y

南極の氷の下の地形を把握する「Bedmap3」プロジェクト

南極床はにわたる積雪と氷の圧縮によって形成されてきました。

特に過去の氷河期と間氷期の変動が影響を与え、現在のような巨大な氷床を作り出しました。

南極の氷床は地球上で最も分厚く、場所によっては厚さが数千メートル以上にも達します。

そのため、氷の下の地形を直接観察することは困難です。

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分厚い氷に覆われた南極。その下の地形を知るのは難しい / Credit:Canva

それでも、氷床下の地形を知ることは非常に重要です。

地形によって氷の流れが決まるため、氷床の安定性や融解のメカニズムを理解するために欠かせません。

また、氷に閉ざされた地形には、かつての南極の気候や環境の痕跡が残されています

さらに、南極の地形は、大陸の移動やプレートの動きの歴史を示す重要な手がかりにもなります。

このような理由から、氷床下の詳細な地図を作成することが求められてきました。

そこで英国南極調査局(BAS)の研究チームは、最新の技術を用いて、新しい南極地図「Bedmap3」を作成することにしました。

Bedmap3はその名前が示す通り、2001年に始まった南極地図を描く3回目の試みです。

彼らは今回、航空機衛星、船舶、犬ぞりなどあらゆる手段を用いて情報を集めました。

また、地震波探査によって、地震の波の伝わり方を分析し、地下の構造を特定。

さらに、衛星観測データを用いて氷床表面の高さを正確に測定し、それを基に地形を推定しました。

そして、これらのデータを統合し、高精度のグリッドマップとして再構築することで、南極の隠された地形を明らかにしました。

次ページ氷を取り除いた南極の「本当の姿」が明らかになる

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