月で観測された「謎の霧」とは?
実は、月面には長年解明されていない謎が存在しています。
それは1960年代から観測されていた「月面の霧」の存在です。
NASAの初期の探査機は、月面の空気に微細な霧が漂っている様子を捉えましたが、その原因は不明のままでした。
その後、アポロ計画の宇宙飛行士たちも、月面での活動中に同様の現象を確認していますが、当時はその発生メカニズムについて結論が出ませんでした。
Witness the sunset from the Moon – our final gift from #BlueGhost Mission 1! We’re honored to share these breathtaking views of the lunar horizon glow with the world as our mission concludes. The @NASA team is excited to analyze these images further and share more of the… pic.twitter.com/sltowc2ePO
— Firefly Aerospace (@Firefly_Space) March 18, 2025
今回のブルーゴーストによる日没の写真は、この謎に新たな光を当てるものと期待されています。
NASA(アメリカ航空宇宙局)の専門家らは、この謎の霧現象を「地平線の輝き(horizon glow)」とか「塵の浮遊(dust lofting)」と呼んでいます。
研究者らはこの現象について、月の塵粒子が太陽からの紫外線によって電気的に帯電し、それが表面から浮き上がる原因となる可能性があり、その浮き上がった微粒子が霧のように見えるのだと考えられます。
そしてこの霧のような現象は、ちょうど日没を捉える角度で撮影されたときに見えやすくなると今回の研究は示しています。

ブルーゴーストが撮影した月面の日没画像は、単なる美しい景色にとどまらず、月の環境を深く理解するための重要な手がかりとなります。
これまで謎に包まれていた「霧」の正体を解明することで、月面探査の新たなステージが開かれるでしょう。