「月面の日没」を高解像度で撮影

普段、私たちは地球の夕日を見て、その美しさに心を奪われます。
でも、月面から見る日没はどうなのでしょうか?
地球のように大気が存在しない月面では、太陽光が地平線に沈むと、瞬時に空が暗くなるため、地球で見るようなオレンジ色の空は見られません。
その代わりに、月面では急激に光と影が交錯し、太陽が沈む瞬間、あたかも静寂の中に入り込んだかのような不思議な雰囲気を感じることができます。
これまでも、月面から見た太陽の様子は何度も注目されてきましたが、実際にその沈む瞬間を高解像度で捉えたことはありませんでした。
しかし今回、ファイアフライ・エアロスペースの月面着陸船「ブルーゴースト(Blue Ghost)」が初めて高解像度での月面の日没を撮影することに成功しました。
ブルーゴーストは2025年3月2日に月面の北東部にある火山地形に着陸し、3月16日に電源が切れるまで運用されていました。
その活動の中で撮影された月面の日没がこちらです。
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画像の一枚では、太陽が月面の地平線のすぐ上で明るく輝き、その周囲のハロ(太陽の周りにできる光の輪)が緑色に染まっています。
そのやや右上には、小さな光の点で示された金星が写っており、さらに上部の太陽と同じくらい明るい光は私たちが暮らす地球を示しています。
これらの画像は地球で見る日没と月面で見る日没が大きく異なることを視覚的に実感させる貴重な写真となりました。
さらに研究者によると、この日没画像は「1960年代に月面で観測された謎の霧の解明に役立つ」といいます。