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Credit: canva
biology

五感は少なすぎ?人間の感覚は最大で「33種類ある」

2025.12.25 07:00:21 Thursday

私たちは学校などで「人間には五感がある」と教わってきました。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。

しかし本当に、それだけで世界を感じ取っているのでしょうか。

実は近年の研究では、人間の感覚は五つどころか、最大で33種類にのぼる可能性が指摘されています。

私たちが普段あまり意識していない感覚こそ、日常体験を支える重要な役割を担っているのです。

Humans could have as many as 33 senses https://medicalxpress.com/news/2025-12-humans.html

五感という考え方は、すでに古い?

五感」という考え方は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスに由来します。

彼は人間の感覚を五つに分類しましたが、同時に「世界は五つの元素からできている」とも考えていました。

現在では、元素の考え方が誤りだったことが分かっています。

感覚についても、同じように再検討が進んでいるのです。

現代の研究が示しているのは、私たちの知覚体験のほとんどが「多感覚的」だという事実です。

見る、聞く、嗅ぐ、触るといった感覚は、別々に働いているわけではありません。

たとえば、シャンプーの香りが髪を「より滑らか」に感じさせたり、ヨーグルトの香りが低脂肪でも濃厚に感じられたりします。

これは嗅覚が触覚や味覚と結びつき、知覚そのものを書き換えているためです。

味覚も単独では成立しません。

私たちが「味わっている」と感じる体験の大部分は、実は嗅覚によるものです。

果物の風味には専用の味覚受容体があるわけではなく、舌と鼻が協力することで初めて成立しています。

つまり、五感という区分は、私たちの実際の体験を正確には表していないのです。

次ページ人間にはどんな「隠れた感覚」があるのか

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