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Credit: canva
biology

五感は少なすぎ?人間の感覚は最大で「33種類ある」 (2/2)

2025.12.25 07:00:21 Thursday

前ページ五感という考え方は、すでに古い?

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人間にはどんな「隠れた感覚」があるのか

英オックスフォード大学で感覚研究を行うチャールズ・スペンス教授によれば、神経科学者の間では、人間の感覚は22〜33種類あると考えられています。

代表的なのが「固有受容感覚」です。

これは目で見なくても、自分の手足がどこにあるかを把握できる感覚です。

また、平衡感覚は耳の前庭系だけでなく、視覚や固有受容感覚とも連動しています。

さらに「内受容感覚」と呼ばれる感覚もあります。

これは心拍数の変化や空腹感など、自分の体内状態を感じ取る感覚です。

私たちは常に体の内側から情報を受け取り、それをもとに行動を調整しています。

加えて、「主体感覚」や「所有感覚」も存在します。

手足を動かしたときに「自分が動かしている」と感じる感覚や、「この腕は自分のものだ」と感じる感覚です。

脳卒中の患者では、これらの感覚が失われ、自分の腕を他人のもののように感じる例も報告されています。

さらに触覚自体も、痛み、温度、かゆみ、圧力など、複数の感覚に分解できます。

つまり、私たちが当たり前に使っている感覚ほど、実は複雑な集合体なのです。

世界は「感覚のチームプレー」でできている

私たちは目や耳だけで世界を感じているわけではありません。

数多くの感覚が同時に働き、互いに影響し合いながら、現実の体験を形作っています。

食事がおいしく感じられる理由、乗り物で景色が傾いて見える理由、体が重くも軽くも感じられる理由。

その背景には、私たちが意識しない「感覚の連携プレー」があります。

次に外を歩くときや食事をするとき、ぜひ少し立ち止まってみてください。

そこには、五感だけでは説明できない、はるかに豊かな感覚の世界が広がっているはずです。

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五感は少なすぎ?人間の感覚は最大で「33種類ある」 (2/2)のコメント

ゲスト

鏡を見なくても髭を剃れるのに鏡を見ながらだとシェーバーを思うように動かせなくなるのは鏡越しの自分を見ることで主体感覚がバグるからってこと?

ゲスト

目覚めよ34thセンシズ…

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