世界最小の縄張り争いを発見!
「縄張り争い」と聞くと、大型の動物や鳥の激しい戦いを思い浮かべるかもしれません。
しかし今回の主役となるのは「ファルカリア・ビリネアタ(Falcaria bilineata)」という蛾の幼虫です。
本種は北アメリカに広く分布し、大人になると翼開長2.8〜3.3センチになりますが、幼虫のときはさらに小さく、体長1〜2ミリほどしかありません。
そんな彼らは葉っぱの先端に陣取って生活することが知られています。
これは葉っぱの先端が他の部位に比べて栄養価が高いから、捕食者が来ても物理的に逃げたり、隠れやすい位置にあるから、といった理由が指摘されています。

そして研究チームはこのほど、ファルカリア・ビリネアタの幼虫が同種のライバルに対して、縄張りを死守するための様々な行動を取ることを新たに確認しました。
チームは、葉っぱの先端に陣取った幼虫に、もう1匹の幼虫を侵入させる実験を実施。
その結果、先住していた幼虫は体を激しく動かして、葉っぱを振動させたり、(人間の耳には聞こえない)音を出して警告することがわかったのです。
これによって、侵入してきたライバルは縄張りから去っていく確率が高くなっていました。
また興味深いのは、彼らの縄張り争いにおいては決して相手に手を出さないことです。
葉っぱを揺らして「こっちに来るな!」とは伝えるものの、お互いが物理的に接触することはありませんでした。
以上の結果は、ファルカリア・ビリネアタの幼虫が縄張り争いをすると同時に、これが世界最小の縄張り争いであることを示しています。
さらに縄張り争いに負けた場合に、ファルカリア・ビリネアタの幼虫は非常に面白い行動を取ることがわかりました。