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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

ネコの家畜化は古代エジプトの「生贄の儀式」によって誕生した可能性 (2/2)

2025.04.30 20:00:54 Wednesday

前ページ従来の「イエネコ誕生説」は誤りだった?

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生贄に捧げるために「家畜化」を始めた可能性

チームは、考古学的資料とDNA分析、骨の形態測定、炭素年代測定などの手法を駆使して、これまでのネコ家畜化史を徹底的に見直しました。

ヨーロッパ、アナトリア、北アフリカ、ブルガリア、イタリアの各地の考古遺跡から採取された70体の古代ネコのゲノムを調べたところ、イエネコの直接的な祖先はヨーロッパヤマネコではなく、アフリカ北部にいたリビアヤマネコであることが判明。

さらに遺伝子の解析データから、リビアヤマネコの最初の家畜化は今から約3000年前の古代エジプトである可能性が示されたのです。

「私たちの結果は、現代のイエネコの拡散は新石器時代や肥沃な三日月地帯にさかのぼるのではなく、その数千年後、最も可能性が高いのは北アフリカから始まったことを示していた」と、研究主任のデ・マルティーノ(De Martino)氏は述べています。

では、約3000年前の古代エジプト人はなぜ野生ネコを家畜化しようとしたのでしょうか?

チームが注目したのは、古代エジプトの女神バステトをめぐる信仰との関係です。

バステトは元々ライオンの頭を持つ神として描かれていましたが、紀元前9~7世紀にはネコの頭を持つ姿で表現されるようになります。

この時期から、ネコを神への捧げものとしてミイラ化する宗教儀式が急増しました。

実際にネコの遺体をミイラ化したものがこれまで数多く見つかっています。

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古代エジプトのネコのミイラの捧げ物/ Credit: en.wikipedia

神殿には、放し飼いや繁殖されたネコたちが大量にミイラとして奉納され、その数はなんと数百万体にものぼると推定されています。

これほど大量のネコを生贄に捧げるために、いちいち野生のネコを1匹ずつ捕まえるのは効率がよくありません。

特に野生のネコは素早い上に、人間への警戒心も強いため、捕まえるのも至難の業です。

そこで古代エジプト人たちはおそらく、生贄に捧げるために大量のネコを繁殖させるようになり、その中で野生ネコは人間に慣れやすく温和なイエネコへと家畜化されたのだとチームは推測しています。

このような宗教とネコの結びつきが、家畜化という生物学的変化の原動力になったという点は、従来の「農業起源説」とは大きく異なります。

ただし、この主張はまだ仮説の域は出ておらず、事実として断定するにはさらなる考古学的証拠が必要になります。

それでも今日、人類に愛されるイエネコには意外な誕生の起源があったことを暗示する研究として、非常に興味深いものです。

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ネコの家畜化は古代エジプトの「生贄の儀式」によって誕生した可能性 (2/2)のコメント

なんとさん

自然に同居したといったほうが聞こえはいいが、系統作出が起源といったほうが個人的に腑に落ちる…!

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