従来の「イエネコ誕生説」は誤りだった?
ネコ好きの人なら一度は考えたことがあるかもしれません。
「ネコって、いつから人と一緒に暮らすようになったんだろう?」
これまで広く知られていた説では、次のものです。
今から約9500年前の新石器時代に、人類が農耕を始めたことで、その作物を狙ってネズミが群がるようになりました。
そのネズミを狙った野生のネコが近づいてくるようになり、人類の近くで暮らし始めたことから、家畜化されてイエネコが誕生したという説です。
その根拠のひとつとして挙げられていたのが、2004年にキプロス島で発見された人とネコが一緒に埋葬された墓でした。
この発見は長らく「最古のイエネコの証拠」とされています。
しかし研究チームは今回、新たな遺伝子調査で、この説が誤りである可能性を見つけました。
キプロス島のネコの骨を調べてみると、その個体はイエネコではなく、野生のヨーロッパヤマネコだったことが判明したのです。

となると、野生ネコの家畜化は別の場所で起こった可能性が浮上してきます。
そこでチームが新たに注目したのは、約3000年前の古代エジプトでした。