受動的な捕食者と考えられていたフラミンゴ
これまでフラミンゴは、湖や湿地の泥水の中からプランクトンや微小な甲殻類を“受動的に濾し取っている”と考えられてきました。
この行動は、上下に大きく動く舌と、くちばしの内側に並んだ櫛状の構造をしたフィルター装置「ラメラ」によって水と餌を分離するというものでした。
ただその摂食方法は、水中につけたくちばしにランダムに入ってくる水や餌を受動的に分けているだけだと思われていたのです。

しかし今回の研究では、フラミンゴがはるかに高度な「能動的捕食者」であることがわかりました。
研究チームは3Dプリンタで作った足やくちばしのモデル、計算流体力学シミュレーション、実際の生きたフラミンゴや、彼らが捕食するブラインシュリンプ(Artemia)を使った実験を組み合わせて詳細に分析しました。
その結果、フラミンゴは単に泥水を濾過するだけでなく、自ら水中に流れや渦を発生させて獲物を効率的に吸い上げていることが確認されたのです。