・悪いロボットから見られていると人の集中力は向上することが判明した
・実験では、良い/悪いロボットと会話した後にそのロボットから見られる状況で集中力テストを実施
・その結果、悪いロボットから見られていた被験者はテストの成績が2倍も向上した
Science Roboticsに掲載された研究で、人は「悪い」ロボットから見られていると集中力が向上することが判明しました。
学生アスリートが親から見られていると成績が上がるなど、一般的に人は「誰かに見られているとパフォーマンスに影響が出る」ことが分かっています。今回の研究では、見られる対象がロボットでも影響があるのかが調査されました。
実験では、被験者に「ストループ効果テスト」を実施。ストループ効果とは、文字の意味と文字の色のように、同時に目にしたふたつの情報が干渉しあう現象です。例えば、色名を答える質問を行った場合、赤インクで書かれた「あか」よりも青インクで書かれた「あか」の方が答える時間がかかる現象のことを指します。
テストを行った後に、被験者はロボットと会話してもらいました。このとき、ロボットにはポジティブなロボットとネガティブなロボットの2種類を用意しました。例えば、被験者が「友情において最も価値あるものは?」と質問をすると、ポジティブなロボットは「分かち合うことと信頼」と答え、ネガティブなロボットは「友情に何の価値もない」と答えました。
ロボットとの会話が終わった後、会話したロボットから見られる状況でストループ効果テストを再び実施しました。
実験の結果、ネガティブなロボットから見られていた被験者はテストの成績がおよそ2倍良くなりました。一方、ポジティブなロボットから見られていた被験者は会話する前後でテストの成績は変化ありませんでした。
今回の結果について研究者は、ネガティブなロボットの存在により被験者の警戒心が高まることで、注意力が向上したことが理由だと考えています。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/1103
via: Tech Xplore / translated & text by ヨッシー