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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

絶滅鳥モアの復活プロジェクト始動、ロード・オブ・ザ・リング監督が参加

2025.07.11 12:00:57 Friday

かつてニュージーランドの森林を悠然と歩いていた巨鳥「モア」。

彼らは人類の入植による乱獲が原因で、15世紀頃に絶滅しています。

しかしその姿が、近い未来に再びこの地上に蘇るかもしれません。

今週、絶滅種の復活を目指すバイオ企業「コロッサル・バイオサイエンシズ」が、モアを遺伝子工学で“蘇らせる”という壮大なプロジェクトの始動を発表。

さらに同プロジェクトには、ニュージーランド出身で、映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで知られるピーター・ジャクソン監督も参加していることが報じられました。

チームは今後10年以内のモアの復活を目指すとのことです。

 

‘We’re bringing back avian dinosaurs’: De-extinction company claims it will resurrect the giant moa in next 10 years https://www.livescience.com/animals/extinct-species/were-bringing-back-avian-dinosaurs-de-extinction-company-claims-it-will-resurrect-the-giant-moa-in-next-10-years ‘Lord of the Rings’ director backs long shot de-extinction plan, starring lost bird https://abcnews.go.com/Technology/wireStory/lord-rings-director-backs-long-shot-de-extinction-123579057

巨鳥「モア」を10年以内に復活させる計画

プロジェクトの対象となっているのは「ジャイアント・モア(Dinornis robustus)」という、全長3.6メートルにも達する巨大な飛べない鳥です。

かつてニュージーランド全土に生息していましたが、およそ600年前に人間による乱獲によって絶滅しました。

この復活計画を主導するのは、「絶滅を逆転させる(de-extinction)」というビジョンを掲げる米バイオ企業「コロッサル・バイオサイエンシズ」。

同社はこれまでにもマンモスやドードー、ダイアウルフ(絶滅した大型オオカミ)などの“再生”を発表し、世界中の注目を集めてきました。

今回のモア計画には、ピーター・ジャクソン監督とそのパートナーであるプロデューサーのフラン・ウォルシュ氏が、1500万ドル(約24億円)を出資。

さらにニュージーランドの先住民研究機関「ナイ・タフ研究センター」も協力し、モア復活に向けた研究が始まっています。

ジャクソン監督は、モアの骨の個人コレクションを300~400点以上も所蔵しており、「映画は本業、モアは趣味」と語るほどの熱の入れようです。

 

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とはいえ、モアの復活プロジェクトはまだ始まったばかり。

研究の第一段階では、保存状態の良い骨からDNAを抽出し、現存する鳥類、特に近縁種とされるエミューなどのDNAと比較します。

そして、モアに特有の遺伝子を特定し、それを現存種のDNAに組み込むという手法が取られます。

こうして蘇った個体は、囲われた自然保護区で生活させる予定で、野生には放たれず、動物園での展示も行われないとされています。

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