赤ちゃんナマケモノ、「決定的瞬間」を水中で披露
その映像は2025年7月15日にInstagramで公開されました。
映っていたのは、バケツの水に浸かるホフマンナマケモノ(学名:Choloepus hoffmanni)の赤ちゃんです。
カメラは静かにその様子を追い、そしてある瞬間、小さな“気泡”が水面にポコポコっと現れました。
そう、ナマケモノは明確に“オナラ”をしていたのです。
実際の動画がこちら。
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この決定的な瞬間を撮影したのは、野生動物獣医のアンドレス・サエンス・ブラウティガム。
ブラウティガムさんは10年以上にわたりコスタリカの動物保護施設「トゥーカン・レスキュー・ランチ」でナマケモノのケアをしてきました。
そして以前から、ナマケモノが「かなりガスっぽい動物である」ことに気づいていたといいます。
「ナマケモノは発酵消化に優れていて、メタンの発生量も多いです。体重あたりで比べれば、ウシより多くのガスを作るという研究結果もあるくらいです」と彼は語ります。
事実、獣医としてナマケモノの診察をする際、X線にガスが写り込み、超音波検査にも支障が出るほどなのだとか。
さらに水に浮かぶときには、腹部のガスが“浮き袋”のような役割を果たしているそうです。
また野生では葉を主食としていますが、飼育下では野菜を与えることが多く、これが腸内バクテリアの活性をさらに高め、ガスが増える一因になっています。
しかもナマケモノは非常に強靭な食道を持ち、ウシのようにげっぷでガスを逃がすことができません。
嘔吐もできないため、ガスが溜まりやすい構造になっているのです。
こうした理由から、施設ではガス抜きの一環として、温かい水風呂に短時間入れるケアが行われています。
今回の映像も、その“お風呂タイム”の最中に撮影されたものでした。
「匂い? それはもう、“音もなく忍び寄る脅威”という感じです」とブラウティガムさんは苦笑いで語ります。
つまり、「ナマケモノがオナラするかしないか」の論争は一部で盛り上がっていたものの、ナマケモノの専門家はちゃんと彼らのオナラの存在を知っていたようです。
ナマケモノはおならしないよ派とおならくらいするよ派との争いに一応の決着がついたように見せかけて、新たな派閥あれはノイズだよ派が現れるのですね。