「何もしない」が脳に効く科学的な根拠
「何もしない」が脳に効く科学的な根拠 / Credit:Canva
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「何もしない」が脳に効く科学的な根拠 (3/3)

2025.08.12 18:30:44 Tuesday

前ページ架空の森で過ごすたった10分の「ぼーっと時間」が効く

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自然の中で何もしない時間は最高のご褒美

自然の中で何もしない時間は最高のご褒美
自然の中で何もしない時間は最高のご褒美 / Credit:Canva

「自然の中で何もしない時間」が脳の集中力を劇的に回復させる――この結果は、私たちの生活スタイルに大きな示唆を与えます。

まず第一に、「何もしない」は決してサボりではなく、脳にとって必要なメンテナンス時間だということです。

忙しい現代社会では、ぼーっとしている人を「怠けている」と見がちですが、脳科学的にはむしろ推奨される行動かもしれません。

今回の研究では、たった10分の“ぼんやりタイム”でも効果があることが示されました。

小さな休憩時間でも、公園を散歩したり、窓から空を眺めたりするだけで、脳のパフォーマンスがリセットされる可能性があります。

さらに、この恩恵は本物の自然に行けない場合でも受けられる点にも注目です。

研究チームは、常に本物の自然が近くにあるとは限らないが、だからといってシミュレーション環境の効果を軽視すべきではないとしています。

実験では大型スクリーンに映した仮想森林を使いましたが、映像や写真などの疑似的な自然体験でも脳を休ませる可能性があります。

授業や仕事の合間に、短い「自然映像休憩」を取り入れるだけでも集中力が回復するかもしれません。

今回の結果は、大学キャンパスや職場、都市設計においても応用できる可能性があります。

緑地や自然映像を流すスペースを増やす、講義の途中に短い自然休憩を入れる、オフィスで自然映像を流すなど、日常の中で自然に触れる工夫が生産性やストレス軽減に役立つかもしれません。

最後に大切なのは、私たち一人ひとりが「意識的に何もしない時間」を持つことです。通勤通学や家事の合間にスマホを見ず、景色を眺める。森でなくても、庭の花や窓の雲でも十分です。

大事なのは、五感は働かせながら頭をオフにすること――つまり“自然に身をゆだねてぼんやりする”時間を意図してつくることです。

そうすれば脳は自動的にクールダウンし、鋭さを取り戻します。

「何もしない」は脳にとって無駄ではなく、必要な充電タイムなのです。

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「何もしない」が脳に効く科学的な根拠 (3/3)のコメント

ゲスト

ぼんやりするとエッチなことばかり考えてしまうので…。

    ゲスト

    めっちゃわかる…
    家の中だとそうなりがちなので、外に出て空を眺めてぼーっとするとかだとよいかも。

    ゲスト

    わりとヒマな屋外の施設警備のバイトを始めたらなんとなくメンタルが好転した気がしてた
    することがない時にぼーっと青空や植栽や飛んでる飛行機や鳥を眺めてるのが効いたのかも

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