・この夏の干ばつで、チェコのエルベ川に「飢餓の岩」が出現した
・「飢餓の岩」は川の水位が下がった時に現れる目印で、かつて人々に厳しい時代の到来を警告するものだった
チェコ共和国からドイツ東部を流れ、北海へと注ぐエルベ川。この夏、この川に「飢餓の岩」として知られる巨石が出現しました。
本来川底にあるこの岩が姿を見せたのは、今夏の中央ヨーロッパを襲った干ばつによって、水位が下がったためです。かつてこの岩の出現は、周辺に暮らす人々に「厳しい時代の到来」を知らせ、備えを行うように警告を行うものでした。
さらにこの岩には、ドイツ語で「この岩を目にした者は涙を流すがよい」というメッセージが刻まれています。昔の人々が水位の低下を知らせるために書き込んだメッセージと思われ、過去の干ばつの凄惨さが伺えます。
飢餓の岩が発見されたのは、これが最初ではありません。ドイツ国境に近いチェコ北部の町ジェチーンの近郊では、12個以上の「飢餓の岩」が見つかっています。もっとも古いものは1616年に書かれたもので、中央ヨーロッパでは最古の水文学的目印と考えられています。
「困難な時代がすぐそこまで来ている」という岩が伝えるメッセージ。世界的な猛暑を思うと、本格的な備えが必要とされている時が来ているのかもしれません。
via: phys.org / translated & text by まりえってぃ