イヌにも「依存症のような傾向」が見られる
実験の結果、105頭のうち33頭のイヌが複数の依存傾向を示しました。
たとえば、おもちゃが棚や箱に隠されても、その場所をじっと見つめ続けたり、取り戻そうとジャンプしたり吠えたりする行動が見られました。
一部のイヌでは、おもちゃを取り出そうとして箱を壊すほど強い執着が観察されました。
また、食べ物や飼い主の呼びかけよりも、おもちゃへの関心が圧倒的に強いイヌも存在しました。
飼い主が止めようとしても制御が効かず、興奮がなかなか収まらないケースもありました。
おもちゃが手に入らないと、部屋を落ち着きなく歩き回り、イライラや不満のサインを出していたのです。
これらの行動は、ただ遊び好きなだけのイヌとは異なり、「人間の依存症と多くの共通点が見られる」と評価されました。
研究チームは、こうした中毒的な遊びが現れる背景には、犬種ごとの遺伝的な傾向や、飼い主がボール投げや引っ張り遊びを繰り返し与える環境要因が関係している可能性も指摘しています。
さらに、強いおもちゃ中毒を持つイヌでは、他の刺激や社会的なやり取りに対する関心が薄れ、生活や健康、社会性に支障をきたすリスクがあることも明らかになりました。
たとえば、激しい遊びを繰り返すことで関節や筋肉に負担がかかり、ケガや慢性的な痛みにつながる恐れも指摘されています。
この研究の意義は、人間以外で自発的な行動中毒を示すことが科学的に検証された点にあります。
これまで動物の依存的行動は、主に強制的な訓練や特殊な環境下で見られてきましたが、イヌの場合は自発的にもやめられない遊びの状態に陥ることが分かったのです。
一方で、なぜ一部のイヌだけが中毒的になりやすいのか、また健康や生活への悪影響を避けつつ楽しい遊びを続けるにはどうすればよいのかといった疑問に関して、今後のさらなる研究が必要とされています。
飼い主やトレーナーがイヌの遊び方を工夫し、イヌの様子に常に注意を払うことも大切です。
イヌのおもちゃ中毒は、単なる面白い現象ではなく、現代社会でイヌと暮らす上で考えるべき新たな課題かもしれません。
愛犬の健康と幸せを守るためにも、日々の遊び方を見直すことが大切です。
あなたの愛犬は”おもちゃ中毒”ですか?
人間はガチャとSNS中毒でお犬様はおもちゃ中毒と…飼い主が飼い主なら犬も犬状態であると…。