気候変動が「イルカの認知症」を加速させる?
なぜシアノバクテリアや藻類のブルームが問題なのでしょうか。
温暖化による海水温の上昇や、農業排水などによる栄養塩の増加が、近年こうしたブルームを世界中で頻発させています。
ブルーム時には、有毒な化学物質が大量に海中に放出され、それが魚やイルカの体に蓄積してしまうのです。
実際に、過去の研究では、シアノバクテリア由来の毒素BMAAや2,4-DABが動物の神経細胞を傷つけ、認知症のような症状を引き起こすことが確認されています。
特にイルカは人間と同じく高い知能と社会性を持ち、脳も大型で複雑な構造を持つため、神経毒の影響を受けやすいと考えられています。
本研究では、アルツハイマー病に類似した脳の変化と、有害な神経毒素の蓄積が同時に観察されたことで、「イルカの認知症リスク」と「環境要因」の結びつきが強調されました。
そしてこれは、イルカだけの問題ではありません。
こうした毒素は魚や貝にも蓄積し、食物連鎖を通じて、人間の食卓にまで届く可能性があります。
実際に、ブルーム由来の毒素が人間の記憶障害や神経変性疾患に関与する可能性も指摘されており、今後さらなる研究と注意が必要とされています。
徘徊老人の若い子版だったと…。