通勤時間が長いとメンタルヘルスが悪化しやすい!?
通勤時間が長いとメンタルヘルスが悪化しやすい!? / Credit:Canva
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「やはり通勤は悪だった…」通勤時間とメンタルヘルスの関係が明らかに!

2023.12.13 Wednesday

人々の通勤手段は、「自動車」「バイク」「電車」「バス」「自転車」「徒歩」など様々であり、状況も異なります。

しかしどんな手段であっても、日本に住む人は1日に「平均1時間19分」という非常に長い時間を通勤のために費やしています。

この「通勤時間が長い」という問題は、お隣の韓国でも同様であり、新しい研究では、抑うつ症状との関連が示されました。

韓国・仁荷大学校(Inha University)に所属する公衆衛生研究者のイ・ドンウク氏ら研究チームは、2万3000人以上を対象にした大規模な研究で、1時間以上を通勤に費やす韓国人は、通勤時間30分未満の人に比べて、抑うつ症状を経験する確率が16%も高いと報告したのです。

研究の詳細は、2023年12月3日付の学術誌『Journal of Transport & Health』に掲載されました。

Massive Study Finds a Link Between Commuting And Poor Mental Health https://www.sciencealert.com/massive-study-finds-a-link-between-commuting-and-poor-mental-health
Association between commuting time and depressive symptoms in 5th Korean Working Conditions Survey https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2214140523001676

通勤時間が長い日本と韓国

通勤時間が長いと睡眠時間が削られる
通勤時間が長いと睡眠時間が削られる / Credit:Canva

ストレスや体調不良の原因として、よく「労働時間が長すぎる」ことが挙げられますが、実は「通勤時間が長すぎる」状況も侮ってはいけません。

通勤時間が長いと睡眠時間が削られることが多いからです。

また多くのケースで通勤中は座ったままであり、それが運動不足や肥満に繋がります。

混んでいて座れないから立ったままの通勤が運動になっている、という考え方もあるかもしれませんが、毎日満員電車で通勤している人は、より強いストレスを経験しているはずです。

通勤の手段や状況は様々ですが、総合的に見て、「通勤時間は短い方が良い」というのが多くの人の意見でしょう。

しかし、総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」によると、日本の1日の平均通勤・通学時間は、1時間19分にもなります。

なんと平均であっても片道40分も通勤や通学に費やしているのです。

当然、これは単純計算で1週間に6時間40分も通勤に費やしていることになり、これはほぼ丸一日追加で働いているのとかわりません。

日本や韓国は通勤時間が長い
日本や韓国は通勤時間が長い / Credit:Canva

ちなみに、日本で最も通勤・通学時間が長い都道府県は神奈川県(1時間40分)であり、2位は千葉県と東京都(1時間35分)でした。

最下位は山形県と宮崎県ですが、それでも56分を通勤・通学に費やしています。

これでは、多くの人が「毎日が短い睡眠と長い通勤・仕事の繰り返しで疲れ果てている」のも不思議ではないですね。

そして、お隣の韓国もまた、通勤時間が長い国として有名です。

イ・ドンウク氏ら研究チームによると、韓国はOECD(国際経済全般について協議することを目的とした国際機関)加盟国の中で、最も平均通勤時間が長く、抑うつ症状を経験する人の割合が多いようです。

しかし、これまでアジア人を対象とした「長時間通勤が健康に与える影響」を調べた研究はほとんどありません。

そこで今回、イ・ドンウク氏ら研究チームは、韓国における平均通勤時間とメンタルヘルスの関係を調査・分析することにしました。

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