クリスマスに男性の「陰茎折症」は増えるのか?
クリスマスは今や世界中で祝われる祝祭日となっていますが、その祝われ方は国や地域によって違っています。
日本ではクリスマスは恋人と過ごすという人が多いようですが、海外では家族と過ごすのが一般的とよく言われます。
キリスト教信仰の強いアメリカも、街はクリスマスマーケットで賑わいますが、クリスマス当日はわりと静かで、教会に出向いて祈りを捧げたり、家族や親戚と集まってゆっくり過ごすのが一般的です。
ドイツも同じような傾向の国だとされますが、本研究主任である泌尿器科医のニコラス・ピルギデス(Nikolaos Pyrgides)氏は、ドイツではクリスマス前後は街も人も陽気で多幸感に満ち溢れており、反対に大晦日になると静かになると話します。
これは”恋人たちの季節”とよくいわれる日本のクリスマスや、家族で静かに新年を迎えるお正月シーズンの流れと似た傾向がドイツにもあると言えるかもしれません。

その中でピルギデス氏と研究チームは、クリスマスに高まる祝祭感や高揚感がカップルの性行為における「陰茎折症(いんけいせっしょう)」のリスクを高めているのではないかと予想しました。
陰茎折症とは、勃起した陰茎に過度の力が加わることで発生する性器外傷のひとつです。
自慰行為や性行為中に発生することがほとんどで、発症時には本当にポキッと折れた感覚がするといいます。
症状としては血管の破裂に伴う内出血や海綿体の組織の断裂により、男性器が青黒く変色したり、著しく曲がったり、腫れ上がったりするのが特徴です。
発症後は早急に治療しないと、その後も慢性的に痛みが続いたり、勃起不全などの後遺症が残る恐れもあります。

そこでチームはドイツのGeRmAn全国入院患者データ(GRAND)をもとに、2005〜2021年の間に陰茎折症を起こした男性3421人のデータを分析し、それが起きた季節や時期を比較しました。
果たして、結果はいかに?