「17歳のとき聞いた音楽」が人生で最も強く残る

解析の結果、音楽と記憶の結びつきは「17歳前後」を中心に山型の分布を描きました。これは心理学で知られる「回想バンプ(Reminiscence bump)」の典型的な形と一致しており、特に多くの人にとって17歳が人生の中でも特に記憶に残ることを裏づけています。
先にも説明した通り、この年齢は脳の報酬系が最も敏感に働き、社会関係や自我が急速に形成される時期です。神経科学の観点からも、思春期の脳は感情的刺激に強く反応し、新しい経験を鮮やかに記憶しやすい構造になっています。そのため、初めての恋や友情、自由を感じた瞬間に流れていた音楽が、長く心に焼きつくのです。
男女で異なる「心の中の青春サウンド」
興味深いことに、男女ではこの「音楽の記憶の山」が現れる年齢に違いが見られました。男性は平均15.9歳でピークを迎えるのに対し、女性は19歳前後で最も強い記憶を形成していました。
研究チームは、この差を男女の「音楽との付き合い方の違い」が反映されたものだと解釈しています。
男性が思春期の早い段階で仲間との一体感や自立の象徴として音楽を体験するのに対し、女性は恋愛や人間関係など社会的な経験を通じて音楽と深く結びつく傾向があり、その分ピークがやや遅れるのだ考えられるのです。
また、若い世代の調査では自分が生まれる25年前の曲にも小さなピークが見られました。これは親世代の音楽に強い愛着を示す「カスケード(世代連鎖)バンプ」と呼ばれる現象で、家族の影響や幼少期の環境によって形づくられます。
この傾向は特に女性で顕著でした。家庭内で流れていた音楽や親と共有した歌が、世代を超えて感情的な記憶をつなぐ役割を果たしていたのです。
デジタル音楽時代の今では、ストリーミングサービスを通じて過去の楽曲にも容易にアクセスできるため、親世代の音楽を自然に知る機会が増えたことも背景にあるでしょう。つまり、音楽は単なる時代の流行を超え、家庭や文化を通じて”世代をつなぐ記憶媒体”として機能しているのです。
さらに、もう1つ興味深い点として、女性では年齢が上がるにつれて、より最近の音楽を「意味のある曲」として選ぶ傾向が強まることが示されました。
これも上述した男女の音楽に対する傾向の違いから生じると考えられ、50代以降の女性では、若い頃の音楽だけでなく、10〜15年前の比較的新しい曲にも深い愛着が生まれる傾向が見られたのです。これは子どもの世代で流行っている曲が影響している可能性もあるかもしれません。
つまり、女性は10代の頃に聞いた曲だけにこだわらず、親世代や、子ども世代の曲に対しても「意味のある曲」として選ぶ傾向があり、男性は基本的に16歳頃に聞いた曲を軸にする傾向があったのです。
これは、音楽が「性別によって異なる記憶の構造」を支えるている可能性があり、男性にとって音楽は”青春そのもの”の象徴になりやすく、女性にとっては”人生の節目の思い出”として機能しやすいのだと考えられます。
これは音楽と記憶の結びつきに関する調査ですが、この結果を見ると俗に言う「懐古厨」というような人たちは、基本的には男性に多い傾向があるのかもしれません。
音楽はただの娯楽ではありません。それは、私たちの人生の”記憶の座標軸”にもなっているようです。
懐かしい曲を聴いて涙が出るのは、脳と心が音楽を通じて”生きてきた時間”を確かめているからなのかもしれません。






















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