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Credit: canva
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200個の磁石を飲み込んだ少年、腸の一部を切除 (2/2)

2025.10.24 22:00:50 Friday

前ページ「まさか」の事故、少年の体内で起きていたこと

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なぜ強力磁石は「おもちゃ」で済まないのか?

なぜ小さな磁石を飲み込むだけで、ここまで深刻な事態に発展するのでしょうか。

その理由は「強力磁石」と呼ばれるネオジム磁石や希土類磁石の持つ、圧倒的な磁力にあります。

これらは一見カラフルで楽しい“おもちゃ”のようですが、体内に複数入ると腸管や胃の壁をはさんで強くくっつき、通常の異物と違って自然に排出されにくいのが特徴です。

しかも、複数の磁石が腸の異なる場所で磁力を及ぼし合えば、腸壁をはさんで圧着されるため、血流が止まり壊死や穿孔(穴が開く)を引き起こします。

このような事故は決して珍しくありません。

【こちらは少年の体内に磁石が入っていることを示すレントゲン写真

近年、SNS上では「磁石でピアスを真似する」動画や投稿が流行し、子どもや若者が興味本位で磁石を口や鼻、唇につけて遊ぶケースが急増しています。

こうした影響もあり、世界各国で子どもの磁石誤飲による手術・入院例が相次ぎ、ニュージーランドでは2013年以降、特に強力なネオジム磁石の販売が禁止されました。

しかし、今回のケースでも明らかになったように、海外のオンラインマーケット経由で規制対象の磁石が簡単に手に入る現状があり、規制の実効性が問われています。

現地当局や専門家は「親が子どもにネット通販を使わせる場合は必ず監督し、危険な商品が届かないよう徹底してほしい」と強く呼びかけています。

保護者や教育現場ができることは、「磁石の危険性」をきちんと伝え、購入時にも注意を怠らないことです。

また、子どもが磁石を飲み込んだ疑いがある場合は、速やかに救急病院を受診し「磁石誤飲の可能性がある」と必ず医師に伝えることが命を守るカギになります。

実際、誤飲患者の75%以上が手術や内視鏡による処置を必要とするため、迅速な対応が不可欠です。

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200個の磁石を飲み込んだ少年、腸の一部を切除 (2/2)のコメント

ゲスト

昔サスペンスであったシーリングファンの羽根に磁石を付けて回し、スープのクルトンに混ぜておいた磁石を胃腸の中でかき回して相手を殺すというトリックがリアルでもできそうな時代になりつつあるわけですね。
あんまりにもすごいトリックだったので今でも覚えているくらいです。

ゲスト

なぜ200個も磁石を飲み込んだのか?

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