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Credit: canva
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200個の磁石を飲み込んだ少年、腸の一部を切除

2025.10.24 22:00:50 Friday

ニュージーランドでこのほど、13歳の少年がおよそ200個の強力な磁石を飲み込んだ結果、腸の一部を切除する事態になったと報じられました。

単なる「おもちゃ」として身近にある小型磁石ですが、実は子どもを取り巻く現代社会の深刻なリスクのひとつになっています。

特にこの少年の場合は、200個の磁石が腸内でくっつき、棒状になっていたとのことです。

研究の詳細は2025年10月24日付で医学雑誌『The New Zealand Medical Journal』に掲載されています。

New Zealand Teen Loses Part of His Bowel After Swallowing Nearly 200 Magnets https://www.sciencealert.com/new-zealand-teen-loses-part-of-his-bowel-after-swallowing-nearly-200-magnets MBIE warning to repel magnet attraction for Kiwi kids https://www.mbie.govt.nz/about/news/mbie-warning-to-repel-magnet-attraction-for-kiwi-kids
Paediatric ingestion of one hundred small high-power magnets—the dangers of the online marketplace https://doi.org/10.26635/6965.6972

「まさか」の事故、少年の体内で起きていたこと

事件が起きたのはニュージーランド北部の都市タウランガ。

13歳の少年は腹痛を訴えて病院を訪れ、自ら「1週間ほど前に100個ほどのネオジム磁石を飲み込んだ」と告白しました。

医師がレントゲン検査を行うと、なんと体内の腸には4本もの磁石の“鎖”が映し出されていました。

さらに実際に手術で取り出された磁石の数は、本人の申告を大きく上回る200個近くに達していたのです。

手術を担当した医師によれば、これらの小さな磁石は腸の複数の場所で互いに強く引き寄せ合い、内臓の壁を挟み込む形で直線状に連なっていました。

【少年の体内で棒状にあった磁石の実際の画像がこちら

この状態が続くと、圧迫された腸の組織は血流が途絶え、壊死(細胞の死滅)が進行します。

少年の場合も、すでに腸の一部で組織が死んでおり、医師たちはやむなく損傷部分を切除する決断を迫られました。

幸い手術は成功し、少年は8日後に無事退院することができましたが、医療現場からは「あと一歩遅れていたら、命の危険すらあった」との声も。

この事故は、「小さな磁石」の恐ろしさと、その危険性をあらためて世に知らしめる出来事となりました。

次ページなぜ強力磁石は「おもちゃ」で済まないのか?

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