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空気から水生成を劇的に加速する超音波装置。※イメージ / Credit:Canva
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「空気から水生成」を劇的に加速する超音波装置を開発 (2/2)

2025.11.21 11:30:08 Friday

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超音波で水を取り出す仕組み

超音波装置がスポンジからを振り落とす仕組みについて考えてみましょう。

装置の中心には、電圧をかけると高速で振動する「PZT(圧電セラミックス)」のリングがあります。

この上には、無数の微小な穴が開いたステンレス製の多孔質金属膜が取り付けられており、その上に吸水素材を載せます。

スイッチを入れると、PZTリングは10万ヘルツ前後の超音波で振動し、その揺れが金属膜を通じて吸水素材全体に伝わっていきます。

さらに、PZT自身が発生するわずかな熱が乾燥を助け、振動と熱が相乗効果を発揮します。

吸水素材内部では、水分子が弱く結びついています。

そこに超音波の揺さぶりが加わることで、この結合がピンポイントで外れ、水分子が表面に押し出されるように動きます。

MITの研究者は、この様子を「水が超音波と一緒に踊っているようだ」と表現しています。

ちなみに、飛び出した水はそのまま金属膜のノズルを通って落下して集水部に集められます。

研究チームは、この装置を動かす電力については、小型の太陽光パネルとの組み合わせを想定しています。

また吸水素材が十分に湿気を吸ったタイミングで、自動的に超音波抽出が行われる“自律システム”の実現も視野に入っています。

「熱ではなく超音波で揺さぶって水を取り出す」というMITの研究は、これまでのエネルギー効率の高い壁を壊すことになるかもしれません。

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