どうでもいい行動が食欲や友情すら上書きする

「やめたくてもやめられない」「本心は嫌なのに続けてしまう」という行動はどのような脳回路が制御しているのか?
答えを得るため研究者たちは、マウスの頭蓋骨に穴をあけて光ファイバーを差し込み特定の神経経路を光で活性化できるようにしました。
そして脳の報酬系の中心にある領域(側坐核)から食欲などを司る領域(外側視床下部)を介してその先にある嫌な感じを司る領域(外側手綱核)を繋ぐ脳回路を人工的に活性化したりすることにしました。
私たちやマウスの脳内は複雑な脳回路が構成されており、ご褒美をもたらす報酬系と嫌な感じをもたらす領域も相互に連結しています。
コラム:なぜごほうびと嫌な気持ちが繋がっているのか?
「ごほうび」と「嫌な気持ち」が同じネットワークでつながっていると聞くと意外に思うかもしれませんが、実はそのほうが動物にとっては都合がいいのです。たとえば、ある食べ物が「おいしいけれど、たくさん食べるとお腹をこわしやすい」とします。このとき脳は、「おいしいからやりたい」と「お腹が痛くなるからやめたい」という二つの評価を同時に扱わなければなりません。もし、ごほうび系の回路と嫌悪系の回路が完全にバラバラで、お互いに会話もしていなかったら、ごほうび側は「おいしい!もっと!」とアクセルを踏み続け、嫌悪側は「お腹が痛い!やめて!」と別の場所でブレーキを踏むだけで、最終的な判断がいつまでもまとまりません。そのため私たちの脳では報酬を扱う領域から嫌悪を扱う領域へ信号が流れ込むように配線されていると考えられています。
そして実験の結果、この回路を繰り返し光刺激すると、マウスに徐々に「嫌な感じのする状態」(ネガティブな行動状態)が誘発されました。
刺激を受けたマウスは、自分が置かれた場所を「嫌だ」と感じているかのように隅に避けるようになり(回避行動)、同時に、地面をひっかく穴掘り行動や床の匂いを嗅ぐ行動を延々と繰り返し始めたのです。
驚くべきことに、たとえ目の前にエサがあって空腹でも、刺激中のマウスはエサをほとんど食べようとせず、食事に使っていた時間が大きく減り、その分ずっと地面を掘り続けていました。
さらに、同じ空間に他のマウスがいても、社会的な関わりより掘る行動を優先しました。
そして光刺激を止めると、マウスはエサを食べたり仲間に近づいたりする行動に戻ります。
つまり、この回路が作動している間は、自然な報酬(食欲や社会欲求)ですら後回しになるほど、無意味に見える反復行動が優先されてしまったのです。
では、この「掘り続けモード」は一体なぜ起きるのでしょうか?
鍵は回路の途中にある食欲などを司る領域(外側視床下部)と、嫌な感じを司る領域(外側手綱核)を繋ぐ回路にありました。
研究者たちがこの部分の神経活動を人工的に遮断してみたところ、繰り返しの刺激で生じていた「その場所を避ける」行動はほとんど見られなくなり、場所の好み方も元の状態に近づきました。
つまり「ごほうび領域➔食欲などの中枢領域➔いやな気持ちの領域」という一連の繋がり全体が、行動の優先順位の変化に深く関わっていると考えられます。
つまり、このやめられない行動はある意味で、快感だけではなく「嫌な気持ち」をも原動力にしていたのです。
しかしなぜ脳には「報酬に関係なく起こる反復行動」を起こすような理不尽な回路が存在するのでしょうか?




























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