音楽経験が「聴覚の老化」を遅らせる理由
研究チームは今回、10代から50代までの音楽家75人と非音楽家75人を対象に調査を行いました。
全員が通常の聴力検査では「正常」と判定されることを確認したうえで、雑音の中で文章を聞き取るテストを実施しています。
その結果、純音を聞く基本的な聴力や内耳の機能には、音楽家と非音楽家の間に差は見られませんでした。
つまり、耳そのものの性能は同じだったのです。
しかし、雑音下での言葉の聞き取りでは明確な違いが現れました。
すべての年齢層で音楽家の成績は非音楽家を上回り、さらに重要なのは「低下が始まる年齢」です。
非音楽家では40代から成績の大きな低下が見られたのに対し、音楽家では同程度の低下が50代まで現れませんでした。
これは、加齢による騒音下音声知覚能力(SPiN)の低下が、音楽経験によって約10年遅れているように見えることを意味します。
研究者らは、音楽訓練によって音の微妙な違いを聞き分けたり、必要な音に注意を向けたりする脳の回路が鍛えられ、その効果が長期にわたって維持されている可能性を指摘しています。
今回の研究は、音楽訓練が単なる趣味や技能にとどまらず、加齢に伴う聴覚機能の変化を緩やかにする可能性を示しました。
ただし、この研究は異なる年齢層を同時に比較した横断研究であり、同じ人を長期間追跡したものではありません。
そのため、効果を断定するには今後の縦断研究が必要です。
それでも、音楽活動が「耳」だけでなく「脳」を含めた聴覚全体を鍛え、年を重ねても会話を楽しむ力を支えてくれる可能性が示された意義は小さくないでしょう。



























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結局低下してしまうのは同じなのね…。
横断研究は統計の誤謬を拾いやすいので、結論を急ぎすぎな印象です。「禅を極めた高僧は健康で長寿」という主張と同じ響きがあります。
(感覚・知覚・認知レベルいずれでも)聴覚に支障がでれば音楽家としての能力が制限され、プロとしての生き残りは相対的に難しくなりますので、「高齢の音楽家」というのは「聴覚で選抜され続けてきた鉄人」集団になるでしょう。(最近、若手~中堅の売れっ子歌手が突発性難聴で休養に入るニュースが多いようですが、売れてない音楽家が耳のトラブルを公表したら、使ってもらえないように思います)