シラウオ科は、なぜ温かい海でも「無色透明の血」なのか
シラウオ科(Salangidae)の魚は、キュウリウオ目に属し、東アジアの沿岸や河川・汽水域に広く分布しています。
日本では、その代表種の一つである「シラウオ(Salangichthys microdon )」がよく知られており、透明感のある細長い体を持つ、小さな魚として親しまれています。
アジア産のシラウオ科は一見すると、とても普通の小魚に見えますが、このグループの多くの種もまた、赤血球やヘモグロビンをあまり使わないという、かなり変わった特徴を持っています。
しかも彼らが暮らしているのは、南極のような極端に冷たい海ではなく、中国や日本、韓国、ベトナムなどの温かい水域です。
研究チームがシラウオ科の11種のゲノム(全遺伝情報)を詳しく調べたところ、まず筋肉内で酸素をためる役目を持つミオグロビンの遺伝子が、完全に失われていることが分かりました。
一方で、ヘモグロビンを作るための遺伝子を調べると、コオリウオ科とは異なっていることも明らかになってきました。
遺伝子そのものはゲノム上に残っているものの、小さな欠失や読み枠のずれ、正しく働かない変異が、種ごとに別々に積み重なっていたのです。
その結果、ヘモグロビンは作られなくなり、赤血球もほとんど機能しない状態になっていました。
では、なぜシラウオ科は、赤血球やヘモグロビンをほとんど使わないままでも生きていけるのでしょうか。
ここで重要になるのが、彼らの寿命と成長のしかたです。
シラウオ科の魚は寿命が非常に短く、おおむね1年スケールのごく短い一生を送ります。
体も小さく細長いままで、成体になっても幼魚のような特徴を残す「幼形成熟」と呼ばれる状態にあります。
一部の魚では、幼魚の段階では体が小さく細長く、うろこも未発達なため、皮膚から直接酸素を取り込めることが知られています。
そのため、成長するまでは赤血球をあまり作らなくても生きていける種類もあります。
シラウオ科では、この「幼魚に近い状態」がほぼ一生続いてしまいます。
その結果、赤血球やヘモグロビンにあまり頼らない体のしくみのまま、成長と繁殖を終えることができるのです。
こうして見てみると、コオリウオ科とシラウオ科は、同じように「無色透明の血」を持ちながら、その理由はまったく異なります。
前者は極端に酸素が豊富な寒冷環境への適応として赤血球を捨てており、後者は短い寿命と幼魚的な体のまま生きる生活史の結果として、赤血球にほとんど頼らない道を選んでいるのです。


























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なぜなに物語風に理由を考えてみます
スーパーで売っているジャコや茹でシラスをさばくってみると、さまざまな稚魚が混ざってたりします。多くが色がついていないので、生シラスのパック中でも透明な個体として混じっていそうです。
プランクトン生活する稚魚は、ミオグロビンやヘモグロビンなどの色素を合成しなければほぼ透明または輪郭を隠蔽できそうですし、流れに乗っていれば姿勢維持以外に筋肉を使わなくともよさそうです。
でも、シラウオの成魚は大きくなりますし、河口域や汽水湖は(夏場は特に水の成層化や高水温で)酸欠リスクがありそうです。また、霞ケ浦の漁の風景をみると大量に群泳しているようです。酸欠にはならないのでしょうか。
血色素を持たなければ血液の酸素運搬能力が落ちるので、血流量/灌流量を増やして組織への酸素供給をカバーする必要があり、時間当たりのエネルギー消費(酸素消費)も大きくなりそうです。
ヒトの場合、赤血球数は一人当たり20数兆個になります。シラウオも血色素合成/赤血球産生をしなければ、相当な節約にはなるでしょうけど、割にあうとしたら、よく似た環境で暮らす他の魚種で収斂するものがもっといてもいいように思えます