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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
biology

「産んだ子とDNAが違う」母子でDNAが一致しない現象の真相とは? (2/3)

2026.03.02 12:00:42 Monday

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母子でDNAが異なる「キメラ現象」とは何か

この不可解な出来事の背景にあったのが「キメラ現象(キメリズム)」です。

キメラとは、1人の体の中に2種類以上のDNAセットが存在する状態を指します。

通常、人間は1つの受精卵から発生するため、体中の細胞は基本的に同じDNAを持っています。そのため、血液を採取すれば、その人全体のDNAを代表していると考えられてきました。

しかし、まれに例外が起こります。

最もよく知られている仕組みは、二卵性双生児の受精卵が初期段階で融合してしまうケースです。

本来は別々に生まれるはずだった2つの受精卵が一つにまとまり、1人の人間として発育します。

その結果、その人の体には「自分」「本来生まれるはずだった双子」の2種類のDNAが混ざって存在することになります。

これがキメラです。

多くの場合、本人も周囲も気づきません。見た目は普通で、日常生活に支障もありません。

しかし、体の部位によって異なるDNAが存在するため、DNA検査の結果が食い違うことがあります。

リディアさんの場合、血液のDNAは子どもと一致しませんでした。

しかし子宮頸部の細胞からは、子どもたちと一致するDNAが見つかりました。

つまり、彼女の卵子を作った細胞は、もう一つのDNAセット由来だったと考えられます。

これは「生殖系列キメラ」と呼ばれる状態です。卵子や精子を作る細胞に、別のDNAが含まれているタイプのキメラです。

同様の現象は父親側でも起こりえます。

実際、ある男性が父子鑑定で「父親ではない」と判定されましたが、詳しく調べると彼の精子の一部に消えた双子由来のDNAが含まれていたという例も報告されています。

つまり、「DNAが一致しない=血縁関係がない」とは限らないのです。

次ページDNAは「万能な証拠」ではない

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