調査の結果「2000年前のフェニキア硬貨」と判明
ピーターがコインの図柄を調べた結果、驚くべき事実が判明しました。
そのコインは、現在のスペイン南部にあった古代都市「ガディール(現在のカディス)」で鋳造されたものだったのです。
年代は紀元前1世紀頃。つまり、約2000年前の古代硬貨でした。
ガディールは、地中海交易で知られるフェニキア人が築いた都市です。
フェニキア人は現在のレバノン周辺を中心に活動した海洋民族で、地中海全域に交易拠点を広げていました。
この都市は西ヨーロッパ最古級の植民都市の一つで、後にカルタゴ、さらにローマ帝国の支配下に入るなど、古代地中海世界の重要な拠点でした。
コインの表面には、フェニキアの神メルカルトの顔が刻まれています。
メルカルトは都市の守護神で、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスと同一視されることもあり、このコインではライオンの毛皮をかぶった姿で描かれています。
一方、裏面には2匹のクロマグロが刻まれていました。これは、ガディールで重要だった漁業、とくにマグロ漁を象徴していると考えられています。

つまり、このコインは単なる古い金属ではなく、古代地中海の交易都市の歴史を伝える貴重な遺物だったのです。
しかし最大の謎は、ここからです。
この古代コインがどうやって1950年代のイギリスのバス運賃として使われたのかは、今も分かっていません。
ピーターは、第二次世界大戦の後だったことから、海外に派遣された兵士が持ち帰った可能性を推測しています。
しかし、それを証明する記録は残っていません。
小さなコインが語る「2000年の旅」
この不思議なコインは現在、リーズ博物館・美術館(Leeds Museums and Galleries)に寄贈され、古代通貨コレクションの一部として保管されています。
約2000年前に地中海沿岸で鋳造された一枚の青銅コイン。
それが長い年月のどこかで人の手を渡り、イギリスにたどり着き、さらにバス運賃として使われるという奇妙な運命をたどりました。
ピーターは、祖父がこのコインを博物館に戻したことをきっと誇りに思うだろうと語っています。
ただし、ひとつだけ分からないことがあります。
それは、このコインがどんな人のポケットを経て、どんな旅をして、リーズのバスに乗り込んだのかということです。
2000年前の地中海から20世紀のイギリスまで続くその旅路は、今もなお、歴史の中に静かに隠されたままなのです。



























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バスの運賃をちょろまかすくらいしか思いつかなかったてーのが哀しいね。
高尚な興味を持てとは言わないが、博物館にでも持ち込めば最低でも3桁は高く売れただろうに。