「いつもの順番」に飽きて、わざと別を試すハトたち

ハトたちは確かに「お気に入りの順番」を持っていました。
6羽とも、120通りある手順のうちたった5つだけで、全試行の4分の1以上を占めるほど偏った好みを示したのです。
これは「効果の法則」そのものの現象で、従来の研究とも一致します。
問題はその先でした。
250日間の訓練期間中、ハトたちは120通りすべての順番を少なくとも1回は試していたのです。
もっと驚くべきは、「お気に入りの順番」の人気が時間とともに上がったり下がったりを繰り返したこと。
たとえばハト38Bは、訓練初期に「21543」という順番を猛烈に好みましたが、50セッションを過ぎるとその人気は急落。
最後の50セッションでは、上位5つの中で最も使われない順番になっていました。
ハト56Yに至っては、劇的でした。最初は「15243」が圧倒的に多かったのに、ある時期を境にピタッと使わなくなり、次に「52431」が台頭。
しかしそれも消え、今度は「51432」が主役に躍り出る――まるで気まぐれなアーティストが作風を変えていくような推移です。
ハト82Rと55Wに至っては、周期的に好みが循環していました。
「壊れていないなら直すな」(If it ain’t broke, don’t fix it)――英語圏のおなじみの格言です。
ハトたちは、この格言を堂々と無視していました。
「このような劇的な行動の不安定さは、効果の法則とは全く相容れないのです」と、50年以上ハトの認知研究を続けてきたワッサーマン教授は語っています。



























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